今日は、着物レンタルフロアの裏方部分の話です。
お客様が来店され、実際にお召しになる着物をお決め頂いた後、当日を迎えるまでに実は様々な準備をしています。
まずは、襦袢探し。着物というと全てが同じデザイン(裁断)なので、寸法も全て同じと思われている方もいらっしゃいますが、実は身幅・肩幅・裄・袖丈というように、一点一点細かく寸法が異なります。
50枚以上のストックの中から、着物にピタリとあった襦袢を探し出し(ちょっとうれしい♪)、半襟を縫い付けます。
この半襟の付け方が、着物姿の美しさに響くので、一切の妥協を許さぬ作業になります。
半襟に芯を入れ、重ね襟を縫い付けて、着物や帯の状態をチェックして、草履を磨いて、髪飾りを用意します。
そして着物から帯、帯あげ、帯締めの房などの小物に至るまでのプレス作業。
ピシっとしわのないきれいな状態にし、当日までハンガー掛けします。最後の仕上げに、念のために検針器をかけて出来上り!
一着の着物をセットするまでに費やす時間は、おおよそ3~4時間ほど。
(そのため、ご着用当日のご来店はご遠慮いただいております)
当日はどんな帯結びに…、髪型とのバランスは…、雨に備えて雨コートも用意して…、などいろいろな状況を想定して準備をします。
そして当日、お仕度を終えたお客様の笑顔を見ることが何よりの喜びであり、同時に達成感を味わえる瞬間でもあります。
古(いにしえ)の十二単衣の時代より、着物とは重ねる美をたのしむもの。
色合わせのたのしみと共に、たくさんの工程を重ねる作業もまたたのしみのひとつではないかと常々思っています。
特別な日を迎えていただくための大切な下準備…
私たちにとってお客様のご試着、ご着用当日とおなじくらい大切な時間です。
手前味噌ではありますが、レンタルの裏話をちょっとだけ披露させていただきました。
代々木店店長 カイ