紋織りなどの帯
紋織りはイスラム色の強いスマトラ島に多く残っています。
赤字に金・銀モールを織り込んだモール織、金・銀糸や白の糸を織り込んだ花織…
さらには紋織りや絣に縞、綴を織り込んだ一見不思議な布などもあります。
これらの布たちは作られなくなって久しい上、手の込んだ魅力的な布ほど時代を経て、状態も万全とは言い難く…
そんな素敵な布と出会った時の興奮と不安感…ご想像いただきながら帯をご覧いただくのも一興かと。
縞と格子とイカット
ご存じの方も多いと思いますが、「イカット」とはインドネシア語で絣を意味します。
織地のものはこの縞、格子、イカットの3つ技法により、島々によって独自の布文化が伝えられてきました。
用途としては、お祭りや儀式の際に使用する布、肩掛け布、衣服、として大切に受け継がれてきました。
素材としては手績みの木綿を用いることが多く、素朴で優しい感触、使い込むほどに肌馴染みが増す糸味のよさが魅力です。
絹を用いた織物もあり、スマトラ島のバンカ族が織る「リマール」という緯(よこ)絣は、草木染による繊細で深みのある色彩が大変美しい布です。
カリマンタン島のイバン族の布などは、今では非常に手に入れることが困難になっておりますが、精霊を信仰し、狩猟生活をする民ならではの動物や太陽をモチーフにしたプリミティブでどこかユーモラスのある文様が特徴です。
織物を帯に仕立てる際には布の厚さが決め手となりますので、魅力的なたくさんの布の中から帯に適した織物を捜してきました。
しなやかな糸味の質感、文様の楽しさ、この二つが織物が魅力。
素材の違いを引き立てる石の帯留など、小物でスパイスを加えて楽しんで頂ければと思います。
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