ご売約済
写真の色紙を見て頂いてお分かりになるように、当店では志村さんの着物が入ると、本人に着物を見ていただき、「お題」を書いていただきます。
今回の着物のお題を伺うと、「浅春」と。まさに。
朝の日の光の粒、木々の新芽の輝き、花の蕾の香り、これから始まる麗しい季節への期待が一枚の着物に込められているのです。
横段ぼかしで望洋と広がりを表し、墨色の細い線やつなぎ糸を縦横に散らし、心地よい緊張感を生み出している、志村さんらしい作品です。
ご売約済
色の配色、格子の感覚、経糸の絣れ具合につなぎ糸の妙、それらのすべてに織部の世界が注ぎ込まれている作品です。
ベージュ、茶、緑というシンプルな色がそれぞれに非常に高潔で透明感にあふれ、色の持つ純粋性が見るものに迫ってくるようです。
雲龍文金襴開き名古屋帯 220,000円
この帯地の出生は定かではありませんが、ゆったりと雲珠文を織りなす緞子地の重厚感のあるしなやかさ、そして青い天空に浮かぶ大きな龍の冴え冴えとした色目。
織部と対峙して、なお引き合う…ぜひお勧めしたい帯です。
ご売約済
お仕立て上がり
詳細はお問い合わせください
『ヴェネツィアのサン・マルコ寺院のモザイク壁画に描かれたサロメの姿に想を得たものだという。
裾に向かうにつれて深々と沈む朱赤地に焦げ茶と白の細い線が水面に揺らめく光の筋のように縦横に織り込まれ、その中で絣で織り出された黄色の小丸がリズミカルに踊る。
簡潔でありながら、ほの暗い寺院の中の赤や金色の色のガラス片の一瞬の燦きを、ビザンチン帝国の栄華の余韻と共に鮮やかに描き出している。』
-週刊朝日百科「人間国宝」より
群馬県立近代美術館蔵の作品「マルコ」。こちらの着物はその後織の小紋として仕立てられています。
見れば見るほど、地色の放つ迫力に圧倒されます。
絹地文織名古屋帯 220,000円
「マルコ」の帯は「同化して添う」をテーマに合わせてみました。
帯地はインドネシア・スマトラ島産で、織られてからすでに200年以上を経ています。
細かい多種の柄が、金銀を交えた色糸で緯文織になっています。
ルーツは古代中国までさかのぼりますが、沖縄に渡っては花織として受け継がれたり、意外と身近な織り方と言えます。
織のバランスが「マルコ」に呼応して、美しい世界が生まれています。
ご売約済
お仕立て上がり
潦とは雨が降って地上にたまったり、流れたりする水のこと。
経糸は茶と藍の縞をまとめて散らし細く長く伸びた絣足に、白場から少しずつ藍を濃くして下りてゆく緯糸。
白場に見える部分にもよく目を凝らすと茶や藍が表れたかと思えば、先ほどまで茶や藍に見えていたものがまるで違っていたかのような、色の魔術にかけられたかのような錯覚に陥ることでしょう。
昔に教わった自然界にむき出しの色はないということを思い出す、深く大きな感覚に迫ってくるような作品です。
金更紗名古屋帯 240,000円
インドネシア・スマトラ島のジャンビと呼ばれる地域に伝わるバティックを帯に仕立てました。
手書きの蝋纈に藍染を施し、金泥で加飾しています。
製作には数か月を要したそうですが、今では織り手の存在しないまさに「今は昔」の布となってしまいました。
そんな儚い美しさが志村さんの着物の上で輝きを放つかのようです。
ご売約済
裄:1尺8寸8分(約71.4cm)
身丈:4尺4寸(約167.2cm)
志村ふくみさんの1988年の作の「緑の杜」です。
何色、いや何十色という色が重なり合い、深い深い杜を表現しているかのようです。
まさに1本1本の糸に生命が宿っているかのような、力強さ、美しさがみなぎった作品です。
先日、当店で志村さんの「聖堂」をお買い上げいただいた方が、志村さんの展示会に実際に着物を着て行ったところ、志村さん本人に「その着物、私のよね。大事にしていただけてうれしいわ。」と声をかけられ大変嬉しかったと、わざわざお電話してくださいました。
この着物もそんな風に愛情を持って大切にしてくださる方に、ぜひお召しいただきたいと思います。
仕付けはついておりませんが、ほぼ未使用の大変状態の良いものです。
着物レンタルの灯屋2TOP > 志村売約済 > 志村ふくみ作 「聖堂(みどう)」ご売約済