志村ふくみ作「青 緯縞」仮絵羽
志村20-02-03
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鑑定書付き
ご売約済
志村さんは、仕事場を嵯峨に移してしばらくしてから藍建てを始めましたので、その頃の作品かと思われます。
明るく透明感のある藍です。
緯に紬糸を濃淡2本ずつ入れて縞構成をしていますが、その縞の太さが絶妙なバランスで、何かこちらの心が癒されます。
又、藍と一言では言えないほどに藍の色が様々で、見ていて飽きの来ない深い美しさをたたえています。
裏返しして仮絵羽にしてあります。
志村ふくみ作「茶 無地」仮絵羽
志村20-02-02
ご売約済み
鑑定書付き
本当の茶色、と言えばお判り頂けるでしょうか。
吉岡幸雄さんの「日本の色辞典」によれば、栗皮色ということになります。
少し黄味を帯びて、弾けるように色に弾力を感じます。
志村さんに言わせると大地の色です。
媒染にもよりますので、染料はわかりませんが、これほどの深い色に至るまで、どれほどの時間の積み重ねがあったことでしょうか。
経緯糸共に同じ色ですが、緯糸にかなりの節糸を使っているので、それが表情を作っています。
洗い張りして裏返しして仮絵羽にしてあります。
志村ふくみ作「灰 無地」仮絵羽
志村20-02-01
ご売約済
鑑定書付き
日本の大和色辞典では、「江戸鼠」と言ったら近いでしょうか。
どんな色と、一言で申し上げられないのは、ベージュと辛子と黒という糸で面が構成されているからなのです。
灰無地、と名を頂きましたが、微塵格子のようでもあります。
当初は、男性用にと制作されたようですが、女性がお召しになっても、キリリと辛口の江戸前で、すばらしい装いができると思います。
無彩色の帯で決めたいですね。
志村ふくみ作「白地茶格子」袷
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ご売約済
志村20-01-01
鑑定書付き
お仕立て上がり
身丈:4尺2寸5分(約161.5cm)
裄:1尺6寸8分(約63.8cm)
縦糸と緯糸との綾なす組み合わせによって、色が生まれていくというテーマの作品かと思われます。
6色のいずれもやさしくてソフトな色合いの糸が絡みあって、微妙な組み合わせが生まれていきます。
それが、糸の持つ力強い輝きをともなって、美しい色のハーモニーへと成長しています。
お召しになる方のお肌の色を考慮しながら織り進んで行かれた様子が、よく見てとれます。
高貴な紫系の色に、かわいいピンク系の色も重なって、深い品格と知性の中にご愛嬌もある作品となっています。
裾に向かって緯糸を色濃くしていますので、付け下げの重厚感も備わっています。
ご売約済
志村20-01-02
鑑定書付き
お仕立て上りでお渡し
横にスックと線が伸びて、明朗で大胆・豪放な作品です。
1984年に「萌黄段」という作品がありますが、それの藍バージョンという事になります。
白と藍が美しく共鳴しあって、絣足がしなやかに伸びています。
大きくも小さくもない格子柄が、知性と品格をもたらしてくれます。
羽織ってみると、肩山の直線が、肩から腕にかけて、お体に沿って曲線となり、だんだんとお召し物になってくるのです。
志村作品の魅力は、まずは観賞してその美しさをたたえ、お召しになってその力量を感じて頂けるというように、両輪が揃っていることです。
お仕立て上がりでのお渡しとなりますので、返品はご容赦ください。
店頭のみでの販売とさせて頂きます。
志村ふくみ作「紫無地紋入り」袷
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志村20-01-03
鑑定書付き
お仕立て上がり
身丈:4尺2寸(約159.6cm)
裄:1尺7寸(約64.6cm)
ご売約済み
志村さんの紫根染めは、嵯峨に転居して、染色家の吉岡さんの教示を受けてから始まったと言われていますので、昭和50年代の製作かと思われます。
藍染と並んで一番難しい自然染料のようで、中国の紫根が入ってきたことにより、染色の制作が進んだようです。
こちらのお着物は、大きな華紋が刺繍されていますが、所持されていた方は、当時、お茶会でご着用なさるために紋入れをなさったそうです。
未使用で、京都のほんま着物店のお仕立てですが、少し色焼けがあるかも知れません。
店頭でご確認下さい。
紋を外す事も可能です。
志村ふくみ作 藍熨斗目袷
志村19-9-01
お仕立て直し付き
身丈:4尺1寸5分(約157.7cm)
裄:1尺7寸(約64.6cm)
ご売約済
熨斗目とは本来、江戸時代の武家で、小袖の生地とされた練貫という絹織物のことです。
その中で、袖の下部や腰まわりの色をかえたり、縞を織り出したりしたものを腰替わりといい、やがてそのデザインを指すようになりました。
そして能や狂言衣裳としても用いられたので、格調のあるデザインとしてのイメージが定着してきました。
この藍熨斗目は1975年に作られていますので、志村さん50歳頃の藍建てへの道筋がついた頃の作品のようです。
白地に小格子の肩裾と、明るい藍の腰替わりとが激しく呼応し合って、藍の華がほとばしり、美しさの高みへと向かっています。
清楚で、しかも生命力に溢れる作品です。
色紙と多当紙がつきます。
志村ふくみ作 花絣
仮絵羽
ご売約済
志村19-9-02
お仕立て代込み
1979年の作品です。
優しい色の替わり格子の中に花十字が浮かんでいて、その中に、井桁絣が子供のように守られるかのように入っています。
緑と藍と紫の微妙な色が重なり合って、芳しく透明感のあるハーモニーをかもし出しています。
そして、優しさと包容力が、精緻で静謐な表現となって織り込まれています。
志村さんの、懐の深い人間力が感じられる一枚です。
志村ふくみ作 笹竜胆(ささりんどう)袷
志村19-9-03
お仕立て上がり
ご売約済み
身丈:4尺2寸(約159.6cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
笹竜胆は源氏を代表する家紋なので、源氏物語、ひいてはひかるの君をイメージしての作品かと想像しています。深い翠に囲まれた寝殿で待つ、ひかるの源氏を取り巻く姫君たちのつのる想いは、千々に乱れ、交錯して、それでも瑞々しく浄化されていきます。
その深淵な情緒の世界を、志村さんは、ご自分の色で、心ゆくまで表現されています。
さぞかし楽しい心踊るお仕事でありましたことでしょう。みなさまには、どうぞ、ゆっくりとご覧あれ、と申し上げます。
志村ふくみ作 冬青(そよご)
仮絵羽
志村19-9-04
お仕立て付き
ご売約済
風に戦(そよ)いで葉が特徴的な音を立てる様がそよごの由来とされています。
又、常緑樹で冬も青々としている所から冬青と書かれています。
初夏に白くかわいい花が咲き、赤い実を付けます。その可憐な姿が庭師に選ばれて、かつて代々木の店先に植えられていたことを思い出しました。
今、この作品を見て、あの葉っぱは十字絣に、赤い実はピンクのドットに昇華されたことに納得しました。
しかしこの愛らしいピンクに、心奪われない人はいません。そして志村さんの十字には、いつも天空の光を見たり、音を聞いたりしてしまうのです。
小さな格子柄でありながら、タテ糸がわずかに控えているのにも、精緻でみずみずしい感性が感じられます。
志村ふくみ作 紅芙蓉
仮絵羽
志村19-9-05
お仕立て上がり
ご売約済
芙蓉の花は、この季節、初秋になると、少し庭のあるお家では、わが世の春を謳歌しています。
特に紅芙蓉はその花の色を誇りに、まさに女王さまの様な存在です。
あの色を、志村さんは、思い切りの良い紅花の真紅に、紫根を入れて巧みに表現しています。
なるほど、あの夏の日差しにも負けない艶やかさが浮かんできます。
しかし実は、少しの風のそよぎにもはらりと落ちる花びらの本性も、風情として、美しい暈しで表現しています。
薄紫や亜麻色の濃淡のヨコ糸を巧みに織り込んで、ここに紅芙蓉は完成しています。
志村さんの観察眼に、改めて敬服です。
多当紙がつきます。
志村ふくみ作 律
志村19-9-06
お仕立て上がり
身丈:4尺1寸5分(約157.7cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
ご売約済
「律」とは?全ての物事の基本となるおきてという意味のようです。
自然界を律する約束事。それを極めようとして臨んだ作品の様に理解しました。
それはまず、この作品から、染織という手仕事の持つ根幹的な質実な性格が見てとれます。
豊かで落ち着きのある絶妙な色彩感覚、基本である格子柄を中心として、しかも個性あふれる絵羽に仕上げている現代感覚。
ヨコ糸を節紬にしている所からくる、民芸調の温かみある、みずみずしい活力。
なんだか、志村さんがここに居るというオーラを放ったお召しもののようで、持ち主になられた方の着姿に思いを馳せます。
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