森田 たま著『きもの随筆』より
「縞は絣のような激しさがなく、小紋のような悠長さがなく、女の着物としてこれほどぴったりと身につくものはないように思える
ふだん着の甲斐甲斐しさと、客の前に座った時のしとやかさと両方かねそなへていて、粋にも上品にも使われる。
絣や小紋の流行時代にも、決してその姿を消しさることがないのは、その単純さのせいである。
お茶漬けの味とでも云おうか。古渡り唐桟は奈良漬に玉露の茶漬で、木綿縞はふる漬のかくやであろう。
いずれも捨てがたい味わいである。」
森田さんの、日本人の食に例えたユニークな着物の柄の見方に、思わず笑みがこぼれてしまいます。
本日の着物は
縞お召の単衣 71400円
インドカンタ楽器柄刺繍名古屋帯 58800円
代々木本店2階 斎藤