京都徒然 その4

昨年の冬から輪奈ビロードのコートを愛用しています。
程よく厚みがあって、本当にあたたかくて寒い日に出掛ける時にはかかせません。
輪奈ビロードは、織る際に針金を一緒に織り込み、織り上がった後その針金を抜いてループを作った生地です。
パイル状にする為の極細の針金の製作が難しいことと、工程が複雑な為、現在では長浜でごく僅かしか生産されてないそうです。

今回研修で伺った紫織庵さんでは、切りビロードの技術を復活させて製作していらっしゃるというお話でした。
切りビロードは針金を引き抜く前にパイルを切る優先ビロードと、三層に織った織物の経糸をナイフで切断して毛羽立たせる無線ビロードがあるそうです。
戦後、無線ビロードの技術は一旦消滅してしまったそうですが、復元に成功して製作されているとのことでした。
細かな工程を経て、丹精に作られた作品は、眺めているだけでも優美で豊かな気持ちにさせてくれます。

復活させた切りビロードも、紫織庵さんがやめてしまったらまた途絶えてしまうかもしれないと話されました。
素晴らしい技術が途絶えずに、どうにか続いていってほしいと切に思いました。

徳永

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