木屋ゴールドの裁ちバサミで龍郷締機の糸を切る

実は今、奄美にいます。全国高等学校総合文化祭の郷土芸能部門で太鼓芸能部全国大会の追っかけを、ふとしたことからやっています。
所がこの台風で、小さな島が大きなことに巻き込まれて大変なことになってしまいました。
2000人の人たちが右往左往していますが、でも、島の人たちの温かいおもてなしを、大勢の人たちが味わっていると思います。

所でもう一つの理由は奄美の大島紬です。絣糸を作る締機をこの目で見て確認したかったのです。龍郷の町は、静かで落ち着いた緑のなかにありました。そこで、本場奄美大島紬技術専門学院を訪ねてみました。


どこの何者かを名乗る前から、100%の信頼の情で接してくださいまして、まず伝統の持つ美しさに気付かされました。伊勢先生という温厚な方がこちらの質問に答えると、東さんという方が、前ですぐに作業を見せてくれる、という応対をしていただきました。

東さんはまだ入って1年に満たないというのに繊細な手付きで糸や機を扱っていましたが、ふと目の前にゴールドの裁ちバサミが目にはいりました。と同時に先生が、彼はこれを上手に扱うんですよ、とおっしゃる。ああ、このハサミの場があった、そして彼に似あってる。この先生にしてこのお弟子あり、東さんの行く末が楽しみです。締機は、量産のために考案されましたが、依頼、絣の技術も格段に進化して、紬糸から生糸に変わることによって、より緻密に繊細になっていきました。

昭和の中期に入って宮古上布にもこの技術が入って琉球の染織が最盛期を迎えることになります。

やれやれ無事に戻ってまいりました。さあ、仕事!
渋谷

お客様の装い〜小千谷縮

暑い日が続きます。銀座中央通りの歩行者天国を行き交う人も日陰を選んで歩いていらっしゃいます。そんな中でも皆様お着物でお出かけ下さいました。

本日は夏の涼しいお着物の一つ、小千谷縮でお越しのお客様をご紹介いたします。小千谷縮は緯糸の苧麻に撚りをかけたしぼのあるお着物で、肌離れが良く、湿度の高い日本の夏も快適にお召しいただける人気のアイテムです。

まずは大きな百合が全体に描かれた、大胆なデザインの小千谷縮を着こなされたお客様。シンプルな帯でまとめていらっしゃいます。赤紫の丸ぐけで華やかさをさらにプラスですね。

次のお客様は大きな波頭と青海波のデザインの小千谷縮。それに合わせて、波間の岩に戯れる鳥が描かれたぴったりの帯を締めていらっしゃいます。 続きを読む

お客様の装い〜宮古上布

本日は、先にご紹介した越後上布に続いて、お客様の宮古上布の着こなしのご紹介です。

苧麻を用いた宮古上布に江戸末期の小袖崩しの帯を締めてご登場です。灯屋2がご提案する夏の最高のお出かけコーディネート。

細かい刺繍の他に金駒、銀駒も施された時代を経た大変貴重な麻を帯に仕立ててあります。お召しの宮古上布は花丸文様の中に麻の葉模様があしらわれた古典的な柄が可愛らしいですね。きちんと感のある組み合わせ。

次のお客様も同じく、宮古上布に小袖崩しの帯。シンプルな亀甲の宮古上布に白い麻が映えます。ピンクの丸ぐけで決めて、爽やかな真夏のエレガンスを表現なさっています。

現代のものとは少し発色の異なる糸で細かく刺繍された素晴らしいお太鼓柄。こちらのお写真で宮古上布の軽やかさがはっきりとわかります。

最後に宮古上布に芭蕉布の帯をコーディネートされたお客様。こちらもまた灯屋2が提案する夏の最高のお出かけ着です。細かい亀甲の宮古上布は様々な帯を受け入れる包容力がありますが、同じ地方の芭蕉布で作った帯であるならベストマッチ。

それでいて後ろ姿は力を抜いたさりげないカッコ良さです。

いかがでしたでしょうか?皆様、本当に素敵なコーディネートですね。街行く人の姿を見てみると、洋服でも麻はすっかり夏の定番。着物もそう考えると猛暑の装いのヒントになりそうですね。

皆様もぜひお着物でお出かけください。

 

お客様の装い〜越後上布

いよいよ夏本番、毎日茹だるような暑さが続いていますね。

そんな暑い季節に灯屋2がお勧めするのは、手うみの苧麻を用いた越後上布と宮古上布。この二つが何と言っても真夏には涼しいという実感です。

そこで本日は、その中からお客様の越後上布の着こなしをご紹介いたします。

まずは大きな十字絣と緑の色が大変珍しい越後上布でお越しのお客様。合わせた帯は、まるで田中一村の絵のように大胆な構図、美しい緑色で表現した織の帯。

そして続いてご紹介するお客様の装い。

こちらは能装束の一つ、鬘帯に似た、橫段の中に藍菱紋と小さなエ霞紋、藍と茶で細かな十字絣の模様が、三列に織られた大変品格のある雰囲気の希少な越後上布。合わせていらっしゃるのは、こちらもまた格調高い朝服写しの絽の名古屋帯です。

そして最後にご紹介のお客様。こちらも大変希少な小格子の越後上布。昔の麻で作られた絶妙の色合いの帯でシンプルにまとめて、キュートな着こなしでいらっしゃいますね。

お客様の素敵な装い、いかがでしたか?一口に越後上布と言っても実に様々な意匠がありますね。最高に涼しい夏の装い。

灯屋2では越後上布、宮古上布ご準備してお待ちしております。

ぜひ、お立ち寄り下さい。

 

 

 

“宮古上布”を身にまとう夏の至福! 砧打つ音は恨みと涙を秋風に乗せて、愛する人の元へ届くか?

大暑(字面さえ暑い暑い)お見舞い申し上げます。

真夏に上布姿のおしゃれな女性とすれ違うと、涼風を送られた気がいたしますね。夏のお召し物の代表、といえばやはり“上布”。細い麻糸で織られた軽く極薄のセミの羽、北の国から「越後上布」「能登上布」、南の国から「宮古上布」「八重山上布」など風合いも肌合いも違いはあっても、お着物好きにとって一度は手を通したいあこがれの一品です。

いま灯屋2では、珍しい色絣をはじめいろいろ宮古上布を取り揃えて、皆様のお出でをお待ちしております。

宮古上布の仕上げの工程で「砧うち」がされるのはよくご存知の通りです。実際見学なさった方もおられると思いますが、なかなか重労働ですね。

アイロンのなかった明治以前では、砧うちは洗濯の最後にシワ伸ばしとして、どこの家でも、女の夜の仕事としてされていたようです。

朝鮮では明治以後もこの仕事は続いていたようで、『春の海』に代表される箏曲家・宮城道雄の初期作品に『唐砧』がありますが、若い頃朝鮮に暮らした宮城は、日常、砧の音を聞いて、曲想を得たときいています。

家事の一つなのですが、俳句の秋の季語としてもつかわれるほど日本の文化にも深く影響しています。

   うちまぜて遠音かちたる砧かな  飯田蛇笏

中国の詩人白楽天の著名な『聞夜砧』、世阿弥の代表作・能『砧』、どちらも晩秋の寂しさの中で、風に乗せて、遠く離れた愛する夫の元に届け、とばかりに砧を打つ妻の静かで激しい思いを描いています。

   「今の砧の声添えて 君がそなたに吹けや風」

   「砧の音夜嵐 悲しみの声虫の音 混じりて落つる露涙 ほろほろはら

    はらと いずれ砧の音やらん」

砧打つ音はたぶんもっと重く響く音、「ほろほろはらはら」とは風に託した思いの音ではないか、と帰らぬ夫を待ち続ける妻の心情にふと思いやりたくなります。

薄物に風をはらんで、来るべき秋を待ちたい、銀座の7月です。

夏の感謝セール盛況のうち終了しました!

ご来店いただきましたお客様、通販でお問い合わせいただきましたお客様、誠に有難うございました。17日まで開催のSALEが終了いたしました。

日頃の感謝を込めてお贈りいたしましたが、お目当てのものが見つかりましたでしょうか?

灯屋2ではこの後もまだまだ新作が登場の予定です。

いよいよ夏本番、ますます暑くなりそうですが、ぜひ、引き続きお着物をお楽しみ下さいませ。

またのご来店、お問い合わせスタッフ一同お待ち申し上げます。

灯屋2銀座店 感謝セール!!

 

SALE 灯屋2 “夏のSALE”はまもなくです!

『源氏物語』光源氏の“衣(きぬ)くばり”

昔も今も衣装選びは女の勝負どころ?

7月9日(日)より、お客様に日ごろの感謝をこめて灯屋2夏のセールがはじまります。

日頃欲しかったあの着物あの帯をお手にとっていただくチャンスです。ぜひ銀座へお運びくださいませ。お待ち申し上げております(17日㈪祝日まで)。

*店内商品 着物・帯=20~30%off

   小物(帯揚げ・丸ぐけ・半衿など)・ショーケース内帯留など=20%off

《一部セール対象外商品がございます》

 

※季節外の商品につきましても20%offにいたします

(H P商品番号をご確認の上、スタッフにお尋ねくださいませ)

 

 

少なくなったとはいえ、お中元・お歳暮は日本社会の習慣やプレゼントはいただけば嬉く、

選び贈るのも楽しみ、ではないかと思います。

『源氏物語』にも光源氏がお正月の衣装を関わりのある女性たちに自ら選んで贈る、という場面があります。

どの女君にどんな衣装を贈るか? そのセンスが問われるともいえますが、女君にとっては、どんな衣装が似合う女性と思われているのか?なかなか悩ましい問題でしょうね!光君の絶頂期、広大な邸宅六条院に住まう女君たちに、贅を凝らし巧緻を極めた衣装が「あのひとにこの色、この衣」、正妻格の紫の上とともに源氏が選び贈った衣装を身につけ、元旦に源氏の訪れを待ちます。

そのひとり、明石の君には「梅の折枝、蝶、鳥、飛びちがい、唐めいたる白き小袿(こうちぎ)に、濃き(紫根)が艶やかなる重ねて」

(吉岡幸雄の『源氏物語の色辞典』に氏の考証と再現された美しい衣装が掲載されています。)

自ら贈ったこの衣装を見事に着こなして、髪がかかる風情も優美な明石の君に見とれて、目を奪われ、心も奪われて、源氏はその夜、明石の君と過ごす、帰りを待ちわびているであろう紫の上のことを心にかけながらも、明石の君に惚れ直した?ともいえましょうか。

めったに人前に顔を晒すことのないこの時代は、衣装の持つ役割が現代より重大な意味を持っていた、ともいえますが、うっかり内面まで見せてしまう衣装選びは女にとっていつの時代も“勝負どころ”、怖くもあり、楽しみでもあり・・・

おサイフにもやさしいセール期間に、日頃のお好みから少し逸脱してオシャレの冒険をなさってみてはいかがでしょうか?新しい魅力発見!になること請け合いです!


※葉書掲載の商品はセール直前に売約済となった品物が一部ございます。どうぞご了承ください。

吉田羊さんのきもの本出版のお知らせです

灯屋2のお客さまでもあるアンティーク着物を愛する女優 吉田羊さんのフォトエッセイ「ヒツジヒツジ」が、7月7日(金)に宝島社より発売されます。

「ヒツジヒツジ」に収録されている71体のコーディネートは、すべて吉田羊さんご自身がスタイリングされたまさにお着物への情熱がちりばめられた一冊。

写真のお着物結城紬と継ぎの創作帯も当店でお求め頂いたお品物ですが、他にも灯屋2でお買い上げ頂いた帯や帯留めも多数ご紹介され登場いたします。

アンティーク着物ファンにもたまらないフォトエッセイ「ヒツジヒツジ」。

ページをめくるのが楽しみですね!

 

退職のお知らせです

いつも灯屋2をご愛顧賜りまして、誠にありがとうございます。

この度、銀座店スタッフ白井葉子が、7月20日(木)に定年退職いたします。

灯屋2で頂いたお客さまとのたくさんのご縁で良いお仕事をさせてもらうことが出来ました事を

心より、感謝申し上げます。

これからは、お客さまとお目にかかることが出来なくなるのが、大変さみしいですが、

お店が、新体制になるこの機会に新しい道へ進もうと決意しました。

行き届かぬ点も沢山ありましたでしょうが、どうぞ、ご容赦ください。

灯屋2での経験を宝物に頂いて、これからの人生に活かしていきたいと思います。

お客さまによろこんで頂いた笑顔を拝見できた時の歓びを忘れることはありません。

 

これからも皆さまの着物の装いへの情熱が、美しくありますよう。

そして、灯屋2への変わらないエールをお願い致します。

最後に皆さまのご健康、ご多幸を心よりお祈り申し上げます。

なお、同時期をもちまして真鍋令子も辞めることになりました事をご報告させて頂きます。

7月の出勤予定です

白井:(月)(木)(土)20日(木)まで

真鍋:(月)(土)17日(月)まで

どこかで、お目にかかれた時には、これからも、どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

銀座店 真鍋、白井

梅雨を乗り切る麻の着物

雨が降り、蒸し暑い日が続きます。まだまだ梅雨。

そんな今を乗り切る麻の着物をご紹介します。

渦巻きのような可愛い柄がこんな季節でも気分を明るくしてくれるでしょう。茶縞の麻帯ですっきりと着こなしてはいかがでしょうか。

次にご紹介するのは上質の水紋柄の越後上布。こちらは証布があります。すっきりと合わせたのは、縦絽染帯。丸紋はよく見ると撫子になっています。

23-06-33 赤茶に渦巻きの小千谷縮  60000円 裄1尺7寸8分、身丈4尺2寸5分

22-07-03 茶縞麻帯 60000円

22-06-05 越後上布 88000円 裄1尺7寸8分、身丈4尺、袖丈1尺1寸3分(少し短いです)

23-06-54 三筋花丸紋縦絽帯 30000円