お客様の装い

 

東京では2年ぶりの積雪。皆様の地方ではいかがでしたでしょうか?

着物を着る際には大敵の雪ですが、着物や帯の柄では大人気のモチーフですね。

そこで本日は雪に因んだコーディネートのお客様の装いをご紹介いたします。

まずは、素晴らしい羽織のお客様から。

粉雪が降る中、優雅な白鷺が舞い踊る様。緑の柳にも雪が積もっています。実際にその光景が目に浮かぶほどの画力ですね。

合わせたお着物は浦野理一、白の絣を雪に見立て、帯にも雪が舞い散り、白鷺の悠然とした姿を見事な刺繍で表しています。

次のお客様は雪輪模様の縮緬の着物。袖と裾模様にあしらわれた、一見雪輪とは見えない大胆さが素敵です。

江戸裂、幕末明治期の江戸小紋、金蘭等、素晴らしい古い布の継帯を合わせて上品な装い。

そして最後のお客様。可憐な梅の黒羽織の下、胴前に見えるのは可愛い仔犬?

お太鼓には、雪が積もった蓑と戯れる仔犬が刺繍された江戸裂。雀の姿も見えますね。とても暖かい結城縮と合わせていらっしゃいます。

雪も楽しむ着物の世界、奥深いですね。

皆様もぜひ、お着物でお出かけください。

雲を呼び、風をはらむ 龍ー辰年は波乱の年か?

2024年は甲辰(きのえたつ)、物事の初め、萌えの時、殻を破り現れる龍(辰)。今年は元旦に能登半島地震、2日に羽田の航空機事故、波乱の年回りなのでしょうか。株価は上昇する、とも言われます。

白地の珍しい朝服くずしの帯:352000円

龍を描いた天井画、襖絵などは人気が高く、まして今年は辰年、京都の各寺院を巡るツアーの企画もあるようです。泉涌寺の狩野小雪の描いた龍は12年に一度の公開、今年はそれに当たり特別公開がされています。その他、大徳寺、建仁寺、妙心寺、天龍寺、南禅寺、東福寺…京都以外では長野県小布施町の北斎館には、北斎の迫力ある肉筆の龍が見られます。

龍は十二支の中で唯一空想上の生き物、その勇姿は、権力の象徴として中国・朝鮮・日本ではよく描かれますね。特に中国の皇帝の身の回りには必ず龍が描かれており、清朝のの朝服をくずした帯は、灯屋2でも人気商品、1本は持ちたい格の高い帯ですね。

 

 

朝服くずしの帯:120000円(20−9−47)

赤い華やかな帯:120000円 (24−01−23)

出雲神話の有名なエピソード、スサノオのヤマタノオロチ退治は皆さまよくご存じのお話です。スサノオが助けるクシ(イ)ナダヒメはその名が表す通り、稲作と結びついています。龍は水に深い縁があり、水を支配する力があるとも言われます。稲作には水が欠かせません。ヤマタノオロチは出雲の斐伊川の象徴か?と言われますが、斐伊川の治水を守る神として龍神が敬われるのでしょうか。

能の人気曲「春日龍神」は百千眷属(ひゃくせんけんぞく)を引き連れ、仏に仕える龍神が主役。栂尾高山寺の明恵上人(華厳宗中興の祖。1173−1232)の前に現れ、中国を経てインドに修行に渡ろうとする明恵に、日本の地にいても十分その望みを果たせることを、法力を持って見せる、という雄大なストーリーです。

釈迦の母・摩耶夫人の誕生から、釈迦の入滅までを、パノラマの如く明恵の眼前に展開し、“大蛇”の姿となって猿沢池に飛び込む龍神!

明恵については河合隼雄の著作「明恵ー夢を生きる」、白洲正子の「明恵上人」などが有名ですが、この夢みる上人を日本に留まらせようと全力を傾ける春日龍神の勇壮な物語は、いま少し疲れ気味のこの国に勇気と自信を与えてくれるかもしれません。

インドの布探してきました!!

「サリーからきものへ」小さなイベントのお知らせです。

手元に届いたサリーを美しい形のままお見せしたいのと、きものになりそうなサリーの受注を受けて、お客様と一緒にデザインする、という楽しい企画です。

数量に限りがありますので、予約制とさせていただきます。

2月3日(土曜日)、4日(日曜日) 12時から6時まで

当日予約いただいて、1週間キープ、キャンセルも承ります。

たくさんの中から選ばれた特別の一枚なので、本当に望まれる方の所へお嫁に出したいです。

ご予約は電話でどうぞ。

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灯屋2銀座店 03−3564-1191

営業時間 11時〜19時(水曜日は定休日です)

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引き続き、浦野理一ご紹介

今日は冷え込みましたね。しかし、確実に日は長くなり、春に向かっているようです。

本日も浦野理一の着物と帯のご紹介です。

まるで麒麟のような色合いの個性的な着物も浦野理一ならでは。春に向けて明るいコーディネートにしてみました。

緑の細い縞の帯。色々な色が入っていますが、意外と無地感覚でご使用いただけます。

メノウの帯どめをアクセントにしてみました。

23-02-07 浦野理一着物280,000円1尺6寸8分、身丈4寸1分、23-12-27浦野理一緑帯95,000円、メノウ帯留 13,200円(全て税込)

次にご紹介するのも浦野理一の着物と帯。しっかりとした風合いで少しかしこまったお出かけにもぴったり。

合わせやすい赤銅色の帯

金工の梅の帯留を合わせて、春らしく。

23-11-24 浦野理一縦縞着物 308,000円裄1尺7寸5分、身丈4尺1寸2分、23-11-51浦野理一無地赤銅色帯132,000円、銅梅帯留49,500円(全て税込)

いかがでしたか?浦野理一の着物の世界。本当に味わい深いです。

ぜひ、店頭で又は通販でお求め下さい。

浦野理一の帯

昭和から平成、令和の時を経て、相変わらず高い人気を誇る浦野理一の着物と帯。

灯屋2では縁あって数多くの作品を扱って参りました。

本日は、その中から紬の帯をご紹介いたします。

まずは優しい色合いの細い縞の帯。とても軽い伊那紬に合わせてみました。帯留は鼈甲の梅。

次にご紹介するのは、格子の帯。結城紬に合わせてみました。帯留はめのう。

こちらはIVYルック風の色合いの帯。市松の結城に合わせて。龍が描かれた印象的な帯留もしっくりきます。

いかがでしたでしょうか?装いをグッとモダンに、強い個性の着物にもぴったり合う浦野理一の帯。

ぜひ、店頭で又は通販でお求め下さい。

細縞の帯 21-12-36 150,000円/伊那紬 198,000円 23-11-23 裄1尺7寸5分、身丈4尺1寸5分/ 梅の鼈甲帯留23,000円

格子帯 132,000円/結城紬189,000 円 裄1尺8寸、身丈4尺3寸/バラのめのう帯留 13,200円(3分紐は別売り)

IVY風帯 143,000円/市松模様結城紬88,000円裄1尺6寸8分、身丈4尺7寸/竜の帯留 (全て税込)

日々の着物

新年を迎えてからいく日かたち、慌ただしい日常が戻ってきました。

インド旅の便りを毎日楽しみにしながら、外国裂でのコーディネートに想いを馳せています。

 

ご紹介の着物は、信州紬で柔らかい糸で細く絣が入った美しい織物です。

鮮やかなインドサリーの帯を合わせて、格子着物を華やかに装ってみてはいかがでしょうか。

緑系格子文様紬 本郷織物工房  160,000円(税込)(着物23-11-22)   ※証紙付き

身丈:4尺2寸(約159.6cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
袖丈:1尺2寸5分(約47.5cm)
袖巾:8寸7分(約33.1cm)
前巾:6寸2分(約23.6cm)
後巾:7寸6分(約28.9cm)

紫地サリーの名古屋帯  77,000円(税込)(帯24-01-03)

 

 

半幅帯を合わせたのは、昭和中期の久米島紬です。

子格子の中にオレンジの糸で絣が入って、織物の表情を出しています。

バティックの半巾帯でサクッと結んで、異国情緒を楽しみたいです。

小格子文の久米島紬  198,000円(税込)(着物24-01-07)

身丈:4尺3寸(約163.4cm)
裄:1尺8寸(約68.4cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:9寸2分(約35cm)
前巾:6寸5分(約24.7cm)
後巾:7寸8分(約29.6cm)

バティック半巾帯  19,800円(税込)

江戸小紋丸ぐけ  7,000円(税込)

 

お客様の装い〜新春編2

新春もおしゃれなお支度で多くのお客様にご来店いただいています。

こちらのお客様は、優しい色合いの無地の結城に、大変貴重な紅花染の江戸裂を合わせた装い。小袖から作っています。

上品な松と梅が清々しいですね。

次のお客様は、必ずお正月にはお召しになるという訪問着。笹と戯れる犬が可愛いですね。アンティークのお着物は意匠に驚かされます。

次のお客様は、素晴らしい画風の梅のお着物に、格調高い古鏡の刺繍帯。

素敵な装いで、店内華やかに賑わいました。

ぜひ、みな様もお着物でお出かけ下さいませ。

 

素敵な羽織が入荷しています。

明日からまた寒くなるようですが、新年を迎え日差しは着実に暖かさを増しているように感じます。コートの下や厚手のストールを巻いて、軽やかな羽織はいかがでしょうか?

黒地基調の羽織はとても便利。明るいベージュと薄グレーの色紙模様に枯葉が描かれていますが、あっさりとした色遣いなので意外と長い季節も可能だと思われます。錦糸も入ってとても上品です。

23−12−16 裄1尺7寸分(66.29cm)袖丈1尺4寸(49.24cm)身丈2尺5寸(94.7cm)55,000円

次は金茶と深い紫に染め分けられた横段に、菊のような花があしらわれています。少し袖が長いのがエレガント。

裄1尺6寸5分(62.5cm)、袖丈1尺5寸5分(58.71cm)、身丈2尺5寸(94.7cm)30,000円

松と松ぼっくり、ぼかしも入ったシックな羽織。おめでたい柄ですが抽象的にデザインされていて、小紋柄ですのでちょっとしたお出かけにも。

羽裏の美しさもご覧に入れます。

裄1尺7寸5分(66.2cm)、袖丈1尺3寸2分(50cm)、身丈2尺5寸(94.7cm)55,000円

最後に昔の絞りの羽織。とても軽い着心地です。紫色が微妙に何色かで染め分けられています。


裄1尺6寸5分(62.5cm)、袖丈1尺2寸(45.56cm)お袖は短めです。20,000円

いかがでしょうか?灯屋2おすすめの軽やかな羽織たち。

ぜひ、店頭で、又は通販でお確かめ下さい!

金額は全て税込です。

源氏物語の装束』②−−“おめらかす”

明治時代に外国から“洋服”が入って、それまでの日本のきものを“和服”と呼ぶようになったようです。洋服は様々な形の組み合わせでできていますが、和服は原則同じ形のものの重ね着、と言えましょう。だからこそ袖の振りや袖口からこぼれて見える襦袢の色や柄に着る方の個性やおしゃれ心が発揮できるのかもしれませんね。

平安時代を代表する「女房装束」は大きく開いた袖と長い引き着の裾から、下襲の色目が順々にのぞいています。これを“おめらかす”というようです。

おめらかす=ずらす、すべらす、衣装などの表の端に下襲の端をのぞかせる、という意味だそうです。

その色襲には美しい名前がついて、季節ごとの決まりもありました。

                        (福田邦夫「日本の色」主婦の友社刊より)

アンティークのお着物や羽織はとても素敵ですが、どうしても裄がたりない、という困ったところがありますね。現代の長身でスタイルの良い女性には悩みのタネ、というところです。多少のことなら上手な着方でうまくごまかす(?)技もいろいろあるようですが、ちょっとのぞくぐらいなら「おめらかして」というのはいかがでしょう?襦袢の綺麗な色・柄がほんのすこーしのぞいてもOK?とはいきませんか?

                                                    (替袖:無双26000円、サリー単22000円)

灯屋2では素敵な替え袖をご用意しております。街でのすれ違いに、少しお地味な紬の袖口からチラッと見える色で、道ゆく人をハッとはせる、というのもオシャレな女のお楽しみ!

2024花カレンダー

日本の四季の移ろいを示す二十四節気を美しい写真であらわしたカレンダーが入荷いたしました。花のスペシャリスト・稲田まゆさんの作。お好きな山野草を育て、暮らしの中の古い道具類を使った花いけの記録。

稲田さんは昨秋の「こうげいを探る」展に、美しい藍の型染を出品されていました。

 

いまは睦月(1月)小寒〜大寒、暦の上でも最も寒い頃。
花は雲龍梅、椿と笹。12カ月の各月ごとに、珍しい花々を個性溢れる花器に生け込んだ稲田まゆさんの作品。眺めていると心おだやかに、日常をすこーし離れた大きな異空間に誘われる小さなカレンダーです。


(銀座店内で扱っております。2,600円=現金のみ)