着物に触れて常日頃思うのは、素晴らしい染織技術を失いたくはないという事。
皆様も同様に感じていらっしゃることでしょう。
長い時間をかけて培われてきた、この国の手仕事の素晴らしさは、大量生産の洋服では味わえないものです。
着物を着ないかたにとっては、ひとくちに絹といっても沢山の種類の絹織物がある事、驚きだと思います。
先日富岡製糸場がめでたく世界遺産に登録されたのは、かつての日本の繊維業の豊かさも認められたこと。
これからは世界の目が、機械織りだけでなく手機の伝統的織物にも向いてほしい。
そして伝承してほしい。それを願ってやみません。
ところで、古くから絹より木綿より衣として多用されていたのが、生活の場で身近に繁茂していた植物。
夏の素材として欠かせない麻布や芭蕉布が代表的ですが、樹木の皮から繊維をとって織った科布(しなふ)も古代織物として大変味わい深いです。
残念なことに織りの存続は厳しい現状だそうです。
貴重なものになってしまいました。
こうして現代でも衣類として楽しめるのは、着物の帯だからこそでしょう。
自然布の魅力、若いかたにも是非見て知っていただきたいものです。
左 科布名古屋帯 126000円
右 科布魚柄開き名古屋帯 (帯12-7-4)126000円
上 山葡萄籠バッグ 39900円
布(麻、芭蕉、綿) 3150円~
海老沢