季節は刻々と移り変わり、冬は深まっていきます。
鮮やかに実った柿は、目にも身体にもその豊かな恵みを分けてくださいます。
柿の木に一つ残る実は「木守り」と呼ばれ、来年もたくさん実りますように…と祈りを込めて残しておくそうです。
昔からの風習のようなことではあるけれど素敵なことと思っていました。
しかし現実を考えると、冬場に食べ物が少なくなる野山の鳥たちに残しておいてあげるという気づかいでもあると知って、また心温まる思いがしました。
お太鼓の図柄に木守りの風情が出ているようで、寒さが増す季節にも締めたいと思わせる帯です。