「薔薇模様の帯を作りませんか?」

薔薇の帯 製作中半年ぶりに創作帯を作りました。
私にとってものを作ることは生きる手段であり喜びでもありました。
それが突然やる気を無くしてしまったんです。
呆然と日々を送る私にそんな声がかけられたのは夏休みの直前でした。

何も予定がないまま長い夏休みを過ごすのを悩んでいたので、その提案を恐る恐るではありますが受け入れました。

人によってものを創る順番は違うと思いますが、私の場合まず材料が目の前になければ頭も体も動きません。
薔薇のイメージに合う西洋アンティークの布を探し歩き回っていましたが、なかなかイメージ通りのものは見つかりません。
周りの人々に声をかけて数日がたったある日知人から連絡があり、数年前まで銀座で西洋アンティークの店を経営していた方のお宅に行く事になりました。
ヨーロッパやアメリカを行き交えながら集めた大切な布を頂き、久しぶりの製作に心が高ぶりました。
夏休みに入り家でもの作りが始まりましたが、なかなか思うようには進みません。
ただいま打合せ中気品があり美しい薔薇のイメージを表現したいのに上手く行かず、部屋いっぱいに広がった数々の美しい布を眺めるだけの日々が続きました。
だんだんと気持ちが重くなる中で何枚かの薔薇のスケッチをする途中ふっと思いつきました。
自分に無いものを表現しようといるではないか、だから出来ないんたと。
自分にある、ありのままを表現しようと。

不思議に気持ちが楽になり製作の楽しさがよみかえってきました。
今回の薔薇のシリーズは沢山の種類の布を使ってます。
花弁、葉っぱ一枚一枚に友の姿を思い浮かびながら縫いました。
辛い時励んで支えてくれた人々からもらった、いま私の中にある友情のしるしです。

アトリエ担当 森

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