新井薬師の蚤の市に、白井と一緒に行ってきました。
実は、お目当てがあり、ずいぶん久しぶりに、朝日が差し込む中を出かけていきました。
まだ,名残雪の残る朝7時の境内は、業者もちらほら、中で1カ所、異様な雰囲気の中、若者に囲まれて、お目当ての桑村さんがいました。
7人衆は、なんと、薄っぺらな敷物の上に正座をしているのです。
そして、桑村さんが段ボールからおもむろに取り出す1枚の裂に、吸い付くように目をやるのです。
それから,その裂についてのレクチャーが始まり、終わる頃には、買い手が名乗りを上げると言う次第なのです。
取り出す裂は、和洋の更紗から東西の織物、民芸の装束から着物まで、裂と名のつく物なら何でも出てきます。
又、そのレクチャーたるものや、見識の幅は広く、奥行きは深く、さすがに40年を越すフィールドワークのキャリアの賜物なのでしょう。
かく言う私が、1981年に連れ合いと灯屋を始めた頃、桑村さんは、お客を装って目玉商品を買い占めていました。そして他店に高く売っていたのです。
「おいハムや、俺が売りに来る店になれよ」が口癖でしたが、やがてその意味もわかってきました。
そうやって我々を育ててくれたのです。
実は 今、桑村さんはご病気で、最後の仕事だと、頑張って名古屋から上京してらした次第です。
長年にわたる名レクチャーも裂好きの間では有名で、卒業生もいっぱいいます。
次回の蚤の市は、2月6日(日)ですが、それまでお元気でいられるよう、そして上京されたらまた行こうと思っています。
渋谷