しばらくご無沙汰しておりました、映画シリーズです。
レンタルDVDを探していて、すごいものを見つけました。
その名も
「愛の渇き」
1967年公開の日活映画。
原作 三島由紀夫
主演 浅丘ルリ子
公開時のキャッチコピー
「愛がなければ女は燃えないものならば・・・・悦子は女ではないのだろうか!?
浅丘ルリ子が三島文学に挑んだ壮絶な女の映画!!」
この意味をお考えになりたいかたは、是非ご覧下さいませ。
ヒロインの悦子が着物姿だからこそ、魅力が際立っています。
モノクロ映像の美にもうっとり。
戦後間もないころの別荘地での暮らしぶりや衣食住も興味深いです。。
大阪の農園を舞台に亡き夫の父親に身をまかせながらも、若く素朴な園丁に惹かれる女の「幸福」という観念を描いた物語。
紬の着物をきりりとまといながら、嫉妬の苦しみに苛まれる姿を古典劇のように重厚感あるタッチで表現しています。
自分とはかけ離れていても、古い火傷の跡をふと思い出すかもしれません。
優れた作品は日常で忘れている感情を揺さぶり、人間の深淵をのぞかせてくれます。
原作は24歳の作品という、三島由紀夫の筆力にも驚かされます。
髪を結いあげ化粧をし、爪の先までなまめかしく全身が青い炎で燃えるようなイメージの悦子。
選んだ着物は、葡萄文様の紬。
劇的なラストシーンの葡萄畑にちなみました。
合わせる帯はやはり、静かながら情熱的な浦野の名古屋帯。
さあ、時には劇的な女性像に身をゆだねてみませんか?
葡萄柄たてぶし生紬
身丈:4尺4寸(約167.2㎝) 裄:1尺8寸5分(約70.3㎝)
浦野理一作 藍地みじん格子縦節紬名古屋帯 (帯17-9-1)
海老沢