究極の「いき」

南天と雀の八掛け黒無地袷江戸のお洒落の事を何度かブログで書かせて頂きました。
渋好みの究極の色、それは黒に行きつくのだそうです。
なんでも、廓通いをするような通人のなかには、上から下まで、内側から表まで、真っ黒な衣装を誂える男性もいたようで。
一見、地味で何の変哲もないようでありながら、襦袢や着物や羽織を、それぞれ染や織りなど素材を変えて楽しんだとか。
羽二重、縮緬、紬…遠目では判別がつかないようでも、よくよく見たり触れることではじめて違いの分かるお洒落。
「いき」とはそういうことなのでしょう。

南天と雀の八掛け黒無地袷まさにそんな着物をご紹介します。
やわらかく糸味のある紬縮緬の表地に、胴裏も黒。
八掛も黒。江戸好みの雀と南天が可愛らしい染の縮緬となっています。
さてさて、今を生きる通人は、どこにお出かけしましょうか。

南天と雀の八掛け黒無地袷 (着物15-9-47) 135000円
身丈:4尺3寸(約163.4cm) 裄:1尺8寸(約68.4cm) お仕立て直し

海老沢