紫根染は多年草ムラサキの植物の根からとった染料で染め上げたもので、遠く中国春秋時代から伝わる草木染めです。
天然染料で染め上げた紫は、落ち着いた深みのある色で、古代紫と呼ばれています。
日本には小野妹子ら遣隋使により伝えられたとされ、古来より高貴な者のみ許された「禁色」でした。
明治時代に入り染色技法が複雑な上、高価な紫根は化学染料ににより必要とされなくなり途絶えてしまいましたが、大正時代に入り国内の染料技法を復活改良しようという事で「南部紫根染研究所」が設立され復活しました。
紫根染めの特徴は色の濃淡。草木染めは何度も何度も染色を重ねるため、濃淡の微妙なムラが出来独特の美しさを醸しだします。
手絞りを施しているので、完全に一点もの。
年を経るごとに少しずつ色が変わって行くのも味わいの一つです。
写真の綿唐桟と合わせた紫紺帯は麻の葉の絞り柄が美しい帯です。
紫の色目が味わい深く変化しています。
この他にも写真の「立涌絞り」や「網目絞り」など紫紺染の帯がいくつかあります。
ぜひ、古来より高貴な色とされてきた紫の味わいをお楽しみ下さい。
唐桟袷(仕立て直し) 62640円
身丈:4尺1寸5分(約157.7cm) 裄:1尺7寸5分(約66.5cm)左:麻の葉絞紫根染帯 97200円
中:立涌絞紫根染帯 129600円
右:網目絞紫根染帯(絹) 126000円
田中