一枚の布にしたポジャギです。
ポジャギは韓国の言葉で包む布の固有名詞。
日本の風呂しきのようなものですがその用途は最も多く包むだけでなく、運ぶ、飾る等日常生活に欠かせない必須品でした。
ポジャギの材料は麻、木綿、絹が主で服、布団等に使わった残布や古くなった布の再活用に使用されました。
今回のポジャギは麻で作られて繋ぎの形、細かさを見て古くなった残布を再活用したものではないかと思います。
何日もしくは数ヶ月、数年集めた小さい布を一針、一針を表と裏、どちらでも縫い代が同じ特独な繋ぎ方で一枚の絵のような布になっています。
子供の時、外から家に戻ると、台所には蒸した芋の上に小さいポジャギが被ってました。
真夏日風通しと虫除けの為だと思いますが、飾り気ない台所を一時美しい空間にしようとしたおばあちゃんの気持ちかも知れません。
一時代の前の韓国の母親達は、物と時間を大切にしながら地道な作業を愉しんだのだと思います。
明後日30日からの展示会でポジャギの帯を展示します。
素朴な麻、透ける絹のポジャギが創る美しい造形美を楽しんでください。
アトリエ 森