里山の春を竹籠に生けました。
灯屋本店では、昨年度より「藍花展」を重ねてきましたが、この度、新潟県村上に出向いて、雪解けの野辺の花を生け、一年の締めとしました。
半月前までは、雪景色だったそうですが、梅の便りを待って、花人の加治さんとカメラマンとを伴って連れ合いと出かけました。
山頂の小さな畑にある1本の梅の木、花の精が、宿っているかのように、それはそれは美しいのです。
枝を大きく四方に張って、天高く槍梅が伸びて、可憐な一重の花が桜のように咲き乱れています。それを籠に摘入れて、ふきのとうとつくしが笑えるほどにたくさん顔を出している山道を、今度は、春の山野草を摘みながら帰ってきました。
そして、古民家の、書院窓から庭の光が差し込む一間床の間に飯塚琅玕斎の竹籠に生け込みました。
そこには白い花がテーマの早春が、たちまちできあがっていき、芳しい梅の香りに酔いしれたひとときでした。