日別アーカイブ: 2025年4月19日

懐かしいブログが見つかりました〜松原工房見学

2015年掲載のブログ。灯屋2のスタッフが松原工房見学を報告しています。

今回、江戸川区にある松原染色工房にお邪魔させていただきました。
松原工房は、大正13年より続く、長板中形の染色工房で昭和30年に、故・松原定吉氏が、国の重要無形文化財指定を受け、ご子息である福与、八光さん、現在も、与七さんを中心として続く長板中形の伝統ある工房です。

長板中形は、三間半(約6.4メートル)の長い貼り板に木綿生地を貼り、型紙を送りつなぎ、防染糊で型付けして、本藍につけ染めることにより出来上がる日本の伝統染織工芸のひとつです。
もちろん、この緻密な手仕事には、長年の経験と技術が裏付けされている事は言うまでもありません。
写真は、

型紙拝見

 

貼り板の上に柿渋で手彫りされた型紙をおく作業を
スタッフ全員が覗きこんでいるところ

 

 

伝統の美しさを生み出す数々の道具藍の入った壺

 

大切な道具類、驚くべきたくさんの藍壺
(木の蓋をしてあるのも全部、藍の壺です!)

染めあがった布は空気に触れることで…緑から藍色に

 

実際に藍に白生地をつけて染め上がった布がまさしく碧から藍色に変化して行く様子など…
(藍は、空気にふれる事により、神秘的に変化してゆきます)

 

それにしても、美しい長板中形染です。

その美しさにはいくつかの要因がかくれていますが、藍の美しさはもちろんの事、民芸運動・柳宗悦氏の「手仕事こそ、品物に美しい性質を与える原因・心の仕事」という言葉が、しっくりくるような感じがします。

長板中形は、主に浴衣に用いられてきましたので、浴衣のあり方が変わってきた現在、昔のような需要はなくなりましたが、灯屋2では小紋や付下、訪問着など、松原工房作のお着物のお取り扱いございます。
ぜひ、ごらんください。

単衣1枚、帯2本〜初夏のおしゃれ<その2>

1枚の着物に2本の帯で、趣の違うふた通りの楽しみ方をしてみませんか?

前回に続いて、単衣の着物の5月と6月のコーディネートをご紹介します。

●木版染め葉っぱ文の単衣
白地に木版で葉っぱの文様を描いた個性的な着物は、白とやさしい藍のシンプルな柄がモダンな雰囲気を醸し出します。

5月には…
白地に一本独鈷の博多帯を合わせてみました。
柄に合わせて焦茶の帯揚げを当て、グリーンと茶色がはいったトンボ玉の帯留でまとめたら、粋な着こなしになります。
木版染め葉っぱ文の単衣 25-04-03   66,000円
博多帯 15,000円
帯留 30,800円

6月には…

白地に水辺の花を描いた、涼しげで可憐な綴れの名古屋帯です。
やわらかな黄色の帯揚げとグリーン系の丸ぐけでまとめてみたら、上品な雰囲気になりました。
花の文様の綴れ帯 15,000円

初夏から夏は、その日のお天気や気温に合わせて帯や小物を選ぶのも楽しみのひとつです。
この季節ならではの着こなしを楽しみましょう。