日別アーカイブ: 2025年4月14日

松原工房長板中型販売会のお知らせ

荒川の流れのたもと、江戸川区で、3代に渡り創業してきた中型染めの松原工房が閉業しました。


故人となった2代目のおひとり、松原与七さんとは、我が連れ合いと共に、35年前、原宿の東郷神社で、店主、客人の関係からお付き合いが始まりました。
ウズベキスタンへの旅を共にしたり、布談義に明け暮れたり、セントバーナードのいるお宅へお邪魔したりの楽しい仲でした。

そして今回、閉業整理のお手伝いをして、松原工房の仕事の糧とされてきたものを託されました。今、手元には、無形文化財としての定吉さんの着尺6枚をはじめ、2代目たちの着尺や帯、見本反物など約50店余りが、雪晒しなどを経て出番を待っています。中には、定吉さんの奥様がお召しになっていた木綿の訪問着もあり、解いて雪晒しに回しています。
そのほとんどが木綿であるというのが嬉しくて、たくさんの反物を整理していると、素朴であたたかく、長板中型の原点に立ち返る思いがします。
風薫る5月の連休から販売会を下記のようにはじめます。

【 5月3日土曜日より  開店11時 】
電話も受けたまわります

◇ネット通販は12時より。

名残りの花、4月の桜に酔いたい!

名残りの月、名残りの雪、名残りの空・・・名残りの花はやはり桜。

季節の区切りが昨今はだいぶ怪しくなっていますが、美しい言葉を“季語”の世界に閉じ込めるのでなく、身近に置いて楽しんでみたいですね。

風ひと吹きで舞い散り、舞い上がる桜吹雪、水面に落ちれば、花筏(はないかだ)、末は芥(あくた)になっても心惹かれるのは、やはり桜の力。

桜は3月というだけでなく、4月終わりの名残りの花・・あえて桜色をさけた衣装に心を映して、2025年の花を惜しむ宴を楽しむのはいかがでしょうか。

偲ぶこと語れば吹雪く残花かな (稲畑汀子)

青紫の桜の染めの小紋。縦縞に麻の葉紋様が敷きつめられたシンプルで華やかなお着物。寸法もたっぷりです。

99,000円 身丈:4尺4寸 裄:1尺8寸2分 20-04-01

薄紫のぼかし地に紫濃淡の枝垂れ桜を表した錦紗の長羽織。なんとも優雅でしなやかな羽織です。

77,000円 身丈:2尺7寸 裄:1尺7寸8分  25-02-18

(左)は金銀糸に葵を刺繍した中に控えめな桜を散りばめた格調高い帯。縦に蔓帯を配し花菱の紋を織り込んでいます。

80,000円  9尺8寸 24-05-27

(右)源氏車に桜の花びらを散らした可愛い織り帯。

10,000円 9尺