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古籠がつくる小宇宙 “定家葛”の謎

5月19日〜29日、代々木の灯屋で「古籠展」が開催されました。足をお運びいただいたお客様も多いことと感謝いたします。

“唐物写し”という少し難しげな響きのある古籠たち、その繊細で超絶な技巧に驚きましたが、いくつかの籠には、圷奈保美さんによる野の花のなげいれがなされ、重厚な空間を、穏やかなものにやさしく変えていました。

茶室や大きな空間にしか置けない籠かと思いましたが、日常の暮らしの中に、小さな宇宙を感じる籠と野の花のコラボ、とても素敵でした。

その中に「定家葛」が可憐な、どちらかといえば地味な白い花を咲かせていました。これが定家葛?ほんとうに定家葛ってあるんだ! 植物にうとく、「定家葛」は能『定家』の中に象徴的に存在するものと長く思っていました。本当に恥ずかしい‥‥『定家』が先にあって、そこから名付けられたという定家葛、数あるツタカズラの中でこの小さな十字の花を咲かす蔓性植物を「定家葛」とどうして名付けたのか? 式子と定家の恋が、それほど人口に流布していたのか?

能『定家』は百人一首の選者で名高い歌人・藤原定家11621241。公家・歌人、権中納言。『源氏物語』をはじめとする古典の注釈、書写にも携さわる。その流れをくむというのが京都の冷泉家)と後白河上皇第三皇女式子内親王(11491201。歌人としての評価も高く、歌の師は定家の父・藤原俊成。京都賀茂社「葵祭」を主祭する賀茂斎院の職にもあった)の身分違いの禁忌の恋とその果ての、定家の執心が内親王の死後もその塚(墓)に定家葛となって絡まりつき式子を苦しめるという、かなり重い内容の能です。作者は世阿弥の娘婿・金春禅竹、世阿弥後の当時の時代を映した多くの能の作者で、現代でも上演されることが多い人気曲を書いています。

歴史的には式子と定家の二人の関係を明らかにする資料はありませんが、二人の交流は確かにありましたし、定家の日記『明月記』の思わせぶりな書きぶりが後世の人々の空想を掻立て、高貴な身分の女性へのあこがれ、ともなったものかもしれません。「忍恋」を代表するような内親王の和歌、恋の歌に巧みであった定家。平安末から鎌倉時代にかけて、源平の戦いあり、やがて武家に政治が移っていく激動の時代を生きた二人です。

 玉の緒よ絶えなば絶えねながらえば忍ぶることの弱りもぞする 式子内親王

 来ぬ人をまつほの浦の夕凪に焼くや藻塩の身もこがれつつ  藤原定家

杉のような大木に絡みついててっぺんまで突き抜けると青空の下、十字形の白い花をわっと咲かす、それは見事な風景、であると圷奈保美さんにうかがいました。みかけの可愛らしさ、可憐さに隠れて、実はたいへん粘り強く力強い植物なのかもしれません。やはり“定家”らしい。

定家葛はジャスミンに似た甘い香りを持っています。式子内親王は「香」にも長けていて、式子邸に伺候した定家はその香りに陶然とした、と「明月記」にもあります。でも‥‥うっかりその花びらを口にすると‥‥たいへんな毒性があるそうです。

街中でも、家の塀からひょっと伸びているのを見かけることがあるとのこと、目をしっかり開けて初夏の街を歩いてみようと思っています。

6月8日放送NHK「すてきにハンドメイド」ご案内

当店の素敵なお客様、山田英幸さんからの情報をお客様へシェアさせていただきます。

山田さんがNHK「すてきにハンドメイド」ー私の大切を包む はじめての仕覆」に講師として出演されます。

仕覆という素晴らしい日本文化を、お茶の世界、骨董の世界だけのものにしておくのはもったいない、もっと身近にカジュアルに楽しみたいと、趣味として独学で始めた仕覆作り。20年経って「山田流」としてNHKで全国放送されるとは思ってもみなかったそう。

ぜひ、皆様、放送をチェックして下さい!

放送日時:6月8日(木)21:30〜NHK  Eテレ

再放送 6月13日(火)11:05〜NHK総合・6月15日(木)13:05〜Eテレ

灯屋 古籠展のお知らせ

此度の企画展は花籠の原点と言える唐物写しを中心に、山野草と相性の良さそうな古籠を展示販売致します。

会期中はなげいれの圷奈保美氏に挿花をお願いしてしております。

併せてお楽しみ頂ければ幸いです。

会期

・5月19日(金)〜22日(月)

・5月26日(金)〜29日(月)

10時30分〜18時30分

会場   灯屋

東京都渋谷区代々木4−8−1 小田急線・参宮橋駅東口より徒歩3分

03−3465-5578  www.akariya.co.jp

 

 

 

夜もアクティブ、銀座

すっかり人通りも以前と同様になった銀座中央通り。本日は夜の様子をご紹介致します。

灯屋2の斜向かいにあるルイ・ヴィトン。

昼間は人の賑わいが絶えませんが、夜になると何ともインパクトのある草間彌生さんのアートがショーウィンドから浮かびあがってきました。

そしてその真向のビル、シャネル。昼間はシンプルな黒の壁面ですが、夜になるとエッフェル塔とお馴染みのシャネルマークが浮かびあがっています。

そして、銀座のシンボル4丁目の和光はいつも存在感がありますが、

夜もいきいきと泳ぐ鱗のディスプレーが楽しい。

デパートのディスプレーも夜中にお召し替え。

JAPANブランド日産ビルも華やかにライトアップされています。


夜もすっかりアクティブになった銀座が皆さまをお待ちしています。

灯屋2も夜7時まで営業しています。ぜひ、お立ち寄り下さい。

 

ガラス帯留めワークショクに行って来ました

3月のまだ肌寒い頃、お元気なお客さまたちと、先にご紹介したガラス工房へ、帯留め製作に行ってきました。パートドベールという手法で、粘土で型を作り、石膏を詰めて20分程焼く、その後粘土の塊をほぐしながら掻き出す。そこに色ガラス粉を詰めていきます。と、ここまでが初日の作業でした。

ガラス張りの大きなアトリエの中で、先生ご夫妻のお力を十分にお借りしながら、皆さまのほっとした、まるで作家さんになったようなお顔。

1ヶ月後にできあがった作品を磨き上げるという一仕事をして完成、となりましたが、その時は各自で伺ったので、人さまの作品を見ていない訳です。

という訳で、ここでそのお手並を拝見、そして広くお客さまにご紹介させて頂くことになりました。個性的で味のある、手作り感たっぷりの作品がならびました。

K様『浜辺の記憶』

涼しく見える水色を選びまたした。デザインはその場で単純な六角形に少し中央をくぼませ、柄を彫りましたが少し彫りが浅くなりました。

W様『六花』

白い紙の上に、白い帯留めで写真写りが心配ですが、体験教室とても楽しかったので第二弾も参加したいです。

N様『瑠璃色のクロス』

T様『すずらん』

I様『縄文糸巻の想い』

モデルとした縄文出土品の糸巻の遺物とは似てもにつかないものになってしまいましたが、初めてガラス作品に挑戦して楽しかったです。

Y様『ソーダ水』

最後に店主の作品『翡翠への憧憬』

 

いかがでしたでしょうか?

再チャレンジのご要望も伺ってますので、どうぞご希望の方はご一報ください。

 

灯屋2銀座店 - 販売ギャラリー
水曜定休
営業時間11時~19時
東京都中央区銀座2-6-5 アサコ銀座ビル2F
03-3564-1191

 

 

ご来店お客さまの装い 〜ツバメ

桜模様の絞りを紫根で染めた軽やかな小紋に燕の帯をお召しです。

桜の季節も年々早くなりますが、春の日が、新緑の季節へと移っていきます。

玄鳥至(げんちょういたる)新緑の爽やかな季節が、はじまります。

銀座の柳も風に揺れています。

黒い頭でスマートに飛ぶ、燕たちの飛来も、もうすぐです。

水辺に遊ぶ燕の姿、風に乗り、心が透くような美しいフォーム。

軽やかな単衣羽織のようです。

 

いつもご愛顧賜り、ご来店誠にありがとうございます。

灯屋2銀座店は、ゴールデンウィークの5月3日(水)も営業いたします。

皆さまのご来店、通信販売のお問い合わせ、ご注文を心よりお待ち申し上げます。

GW期間 4月29日~5月7日は休まず営業します。
閉店30分前までのご来店にご協力お願いします。

灯屋2銀座店 販売ギャラリー

中央区銀座2-6-5 アサコビル2階

営業時間11時〜19時

電話 03-3564-1191

 

ディオールと龍村と帯

注目を集めている「クリスチャン・ディール、夢のクチュリエ」展と着物世界との意外な関係についてのお話です。こちらの展覧会はチケットが連日ソールドアウトになる程人気ですね。ガリーアーノによる作品等、日本文化へのリスペクトを感じられる作品も数多く見られます。


とにかく体験したことがないような建築家・重松象平さんの空間美術が圧巻のこの展覧会ですが、1953年ディオールの日本初上陸の際に生地として使われたのが龍村製であることは、着物愛好家にとっても心を動かされずにはいられないストーリーの一つかもしれません。

こちらがその際に龍村美術織物に名物裂の製作を依頼し、その布を使って作られたという作品、その名も「歌麿」等3点。(うかつにもちゃんとした写真を撮ってませんでした)

龍村平蔵は織物の技法に革新をもたらし、又、正倉院宝物裂の研究、復元などにも貢献。織物の地位を「芸術の域」にまで高めたと評価されたその情熱と感性によって、現代においてもなお引き続き高い人気を誇っていますね。

もちろん灯屋2でも龍村の帯をご用意していますよ。

まずは、名物錦荒磯。

藍海松茶の深い海に大きな荒磯文が配された個性的な帯。

そして次にご紹介するのは六歌仙の和歌がかなで織り込まれた丸帯。

お馴染みの小野小町、在原業平等の作品が見えます。

どちらも思わずうなってしまう大変雰囲気のある作品ですね。

ぜひ、お手に取って、又は通販でお求め下さいませ。

下記NO.をクリックしていただけるとHPの商品詳細情報に飛んで頂けます。

22−01−13 龍村平蔵製「荒磯錦」袋帯 154,000円

22−09−41 龍村平蔵製かな6歌仙文様綴れ丸帯 132,000円 全て税込

 

銀座の風景~最近の話題

今日の東京は薄曇りでまだ少し肌寒く感じます。それでも灯屋2のある銀座2丁目は朝から外国人観光客でにぎわっています。当店でも外国人の方のご来店が増えています。

外国と言えば、岸田首相と韓国の大統領が訪れて最近話題になったお店がごく近くにあります。当日は周辺の警備は厳戒態勢でした。

すき焼き「吉澤」さん。

スタッフのお薦めはお向かいの中華そば「共楽」。いつも行列。きれいな店内でお願いすればエプロンも下さいます。 (写真は朝のためシャッターが下りていました)

そしてその後に首相等が訪れたのが「煉瓦亭」さん。

どちらのお店も超有名店ですが、灯屋2のすぐそば。ご来店の際にいかがでしょうか?

灯屋2銀座店 - 販売ギャラリー
水曜定休
営業時間11時~19時
東京都中央区銀座2-6-5 アサコ銀座ビル2F
03-3564-1191

 

暮らしで楽しむ茶の湯展2023 のお知らせです

3/22wed−3/28tue

阪急メンズ東京 にて 「暮らしで楽しむ茶の湯展」を開催のお知らせです。

大人が、日常的に楽しむ抹茶生活のための厳選グッズ、お仕覆、陶芸、花器、お茶杓、オリジナル茶箱など

先日ご紹介いたしました山田英幸さんもご参加されてます。

 

 

お客さまの装いご紹介いたします~番外編~

「SUSHI SYOKUNIN」すし職人に掲載 おすし よしたけの女将さんとご主人様の素敵なショットです

 

灯屋2オリジナルの黒猫さんが、お太鼓でお出迎えさせていただいてます。

お嬢様が、ご来店され、内緒のお誕生日プレゼントに選ばれた、スタッフにも思い出の帯です。

美味しくて、きれいなお寿司の大人気店です。

いつもご愛顧賜り、誠にありがとうございます。

灯屋2銀座店 - 販売ギャラリー
水曜定休 営業時間11時~19時
東京都中央区銀座2-6-5 アサコ銀座ビル2F
03-3564-1191