着物紹介」カテゴリーアーカイブ

浦野の絣、縞、格子

生成りに焦げ茶の素朴な井桁絣。
すっきりとやさしい色でたくさんの絣が、織られたお着物です。
両方の帯とも、遠目からみると無地に見えますが、細い縞と横段の飾らない感じが、とても素敵な経節の名古屋帯です。
浦野の格子や縞は、手に取って、よくよくみると驚くほど凝った色彩で丁寧に織られています。
どれも、それぞれに理一、範雄さんの思いがつまっているようで、ひとつだけ選ぶのは、至難の技。
浦野邸のいっぱいある書籍棚に「幸田格子」という背表紙のファイルがありました。
一生和服で通した幸田文さんご愛用の飽きのこない魅力的な格子が、いっぱい貼られた1冊だったでしょう。
「きものは、心意気で着るものです」とは幸田文さんの言葉。
選ぶのが大変なほど、たくさんある中から、自分だけの1枚を探すのは、この上ない楽しみ。
ぜひ、お時間の都合をつけて、灯屋2銀座店へいらしてください。

16-12-23  17-9-12

浦野理一作 井桁絣経節紬袷着物 200,000円+税

身丈:4尺5分   身丈:4尺2寸

裄:1尺7寸2分    裄:1尺8寸

 

 

 

 

18-11-10

浦野理一作 横段経節紬名古屋帯

140,000円+税

 

 

 

 

 

18-11-5

浦野理一作 細縞経節紬名古屋帯

140,000円+税

浦野の赤と経節紬

諸紬地大蝶の型染め小紋と縦節紬茜色名古屋帯

諸紬地大蝶の型染め小紋と縦節紬茜色名古屋帯

「浦野理一の現代日本のきもの」の表紙を飾る女優夏目雅子の締める赤い帯。

赤い帯は、世代を問わず、女性の愛らしさや強さを映し出しているように感じます。
初期の頃作られた浦野染織工房の無地紬は、可愛らしい小さな粒のような節ですが、後に独特の経節紬が、
誕生します。
この個性的な経節を完成させるまで、仕事に厳しい浦野理一氏は、織り上がった無地の紬を何度も何度も縁側に放り投げ、浦野作品とは認めてくれなかったそうです。
それでもご子息範雄氏は諦めず、試行錯誤5年の後、浦野の経節紬が出来上がります。
無地であっても、浦野作品としての光を放つ経節紬。
型染めや絣の強い着物にも負けない印象をのこす唯一無二の浦野の帯です。
今回の浦野展では、赤、黄色、藍の経節紬の帯をご用意しております。

浦野理一作 諸紬地大蝶の型染め小紋 280,000円+税 着物18-11-04

浦野理一作  縦節紬茜色名古屋帯 ご売約済 帯18-11-23

 

仕立ての技

この羽織はHPでも紹介している雪持ち笹に白梅の絵羽織(18-10-17)です。
袖付けと上前の衿柄が絵羽になって繋がっています。

平らに置いてみると、上前身頃と衿柄の細い枝や笹の葉がずれています。
羽織の衿の柄は実際に縫う位置と目に見えて柄が繋がる位置が違うため、なかなか柄合わせが難しいのです。

ですが、この羽織をひとたび羽織ってみると!細い枝から笹の葉の先が見事に合うのです!!
置かれた状態ではずれていたのに、着用した途端身体の曲線に合わせて柄がピッタリ合うこの素晴らしさ!
興奮を覚え鳥肌が立ちます。
仕立て屋の腕が光る一品です。

灯屋2にお越しの際はお着物を見るだけでなく是非羽織ってお楽しみください!

大橋

秋の序から…

綿のような鱗雲、ひんやりした空気に包まれて、緑の葉も色を変えています。
ゆっくりと黄金色をした実りの時期へと向かう準備が出来ているようです。
そろそろ、羽織が必要とお探しの方も多いかと。。
いくつかの羽織をご紹介させていただきます。
昭和はじめ頃のアンティークと呼ばれる羽織は、小紋のような同じ柄の物も機械でプリントしたのではなく。
型を置いて、反物に一色づつ手ですられた、本手摺り(ほんてずり)と呼ばれる職人さんの手による型友禅で染められています。
羽織の背柄が、ひとつの絵のようにつながった絵羽織。
これも、絵を描くように染めらた、手描き友禅です。
丁寧な染めは、どこか、愛らしく、見る者の心を癒すほどの美しい友禅です。
その上、細い糸で織られた錦紗は、羽織っている事を忘れてしまうほど軽く、しなやか。
纏う物をとりこにするほどの着心地の良さ。
愛着の1枚との出会いが、平成の今もアンティーク羽織ファンを増やしているのだと思います。
昔の反物は、現代の物にくらべて布巾が狭いのが弱点。なかには、上手に袖口にレースを重ねて着物のお袖が見えないように工夫してらっしゃる方もお見かけします。
願えば、通じる、裄の短い羽織をお召しになる工夫をご存知でしたら、ぜひともおしえてください。

黒地に南天の小紋羽織・黒地に南天の小紋羽織 35,000円+税
身丈:2尺6寸5分(約100.7cm) 裄丈:1尺7寸(約64.6cm) 袖丈:1尺7寸7分(約67.2cm)

 

 

 

 

 

紫地に市松絞り橘と牡丹刺繍の羽織・紫地に市松絞り橘と牡丹刺繍の羽織 50,000円+税
身丈:2尺6寸5分(約100.7cm) 裄丈:1尺6寸8分(約63.8cm) 袖丈:1尺3寸(約49cm)

 

 

 

 

 

黒地に菊と貝合わせの小紋羽織黒地に菊と貝合わせの小紋羽織(アップ)・黒地に菊と貝合わせの小紋羽織 40,000円+税
身丈:2尺5寸(約95cm) 裄丈:1尺7寸(約64.6cm) 袖丈:1尺8寸2分(約69cm)

 

 

 

 

黒地に薔薇のぼかし染羽織黒地に薔薇のぼかし染羽織(アップ)・黒地に薔薇のぼかし染羽織(縫いの一つ紋付き)25,000円+税
身丈:2尺5寸(約95cm) 裄:1尺6寸5分(約62.7cm) 袖丈:1尺6寸4分(約62cm)

 

 

 

 

黒地に梅と笹染めの羽織黒地に梅と笹染めの羽織(アップ)・黒地に梅と笹染めの羽織 75,000円+税
身丈:2尺6寸(約98.8cm) 裄丈:1尺7寸5分(約66.5cm) 袖丈:1尺2寸3分(約46.7cm)

季節の楽しみ

緑地縦縞紬と柿刺繍名古屋帯

緑地縦縞紬と柿刺繍名古屋帯

秋を今かいまかと待ちわびながら過ごしています。
秋は秋の楽しみがあって、また秋の装いに心躍るようです。
ご紹介の帯は、この季節になると人気の柿。
柿尽くしのコーディネートでご紹介です。
帯は、綿麻の生地にこっくりした色合いで柿と枝を刺繍してあります。
柿の実だけでも何色もの糸が使われて深みが出ています。秋色の縞紬で、木々が色づくのを楽しみに待ちたいです。

 

  

 

緑地縞紬 45000円+税
身丈:4尺2寸5分(約161.5㎝) 裄:1尺7寸2分(約65.3㎝)

柿刺繍名古屋帯 60000円+税
柿帯留め 18000円+税
徳永

収穫の季節

稲の刈入れ風景染名古屋帯この時期になると出てくるのが、稲文。
実った稲は豊穣の秋の喜びです。

こちらの名古屋帯は、里の秋。
一家総出で、稲を刈り束ねて干したり、豆を打ったりと大忙し。

稲の刈入れ風景染名古屋帯
懐かしい情景が繰り広げられています。
あたたかみのある絵の所々に刺繍も加えられ、細やかな描写。
おもわず目が離せなくなる、瑞穂の国の原風景です。

稲の刈入れ風景染名古屋帯 (帯15-9-46) 40,000円+税

久留米絣単衣に茶地稲穂に雀名古屋帯実った稲に喜ぶ雀たち。
鳥おどしの鳴子も、まるで一緒に楽しんでいるよう。
紫の野菊が美しさを添える縮緬の染名古屋帯。
素朴な久留米絣の単衣と合わせてみました。
これから便利に活躍します。
まずは肩の力を抜いて、秋をお楽しみくださいね。

茶地稲穂に雀名古屋帯 (帯13-10-25) 58,000円+税
久留米絣単衣 60,000円+税
身丈:4尺(約152㎝) 裄:1尺7寸(約64.6㎝)

海老沢

秋単衣

紫撫子の単衣に万寿菊透かし織名古屋帯灼熱の日差しや激しい台風に翻弄された夏も、ようやく終わろうとしています。
自然はかくも過酷なものかと、うなだれる日もありました。

そんな今、季節のはざかい期に立って、花を探してみませんか?
心慰められる、やさしい秋の花が咲きはじめています。

過ぎゆく思い出を、柔らかな錦紗単衣でそっと包んでみてください。
あたらしい季節の到来です。

アンティークならではの地紋、ぼかしが美しい撫子の花びらの単衣着物。
やはり透かし柄の繊細な、明るい万寿菊の帯と合わせてみました。
ビーズのまるぐけで可愛らしく。

紫撫子の単衣 万寿菊透かし織名古屋帯

紫撫子の単衣 85000円+税
身丈:4尺2寸5分(約161.5㎝) 裄:1尺7寸3分(約65.7㎝)
万寿菊透かし織名古屋帯 帯18-7-06 60000円+税

海老沢

トンボの単衣羽織

紫地トンボ単衣羽織流水の透かし模様が入った明るい紫地。
絞りと染で描かれたトンボが、すいすい飛び回っています。
着用モデルは162㎝ですが、くっきりと着映えする柄です。

身丈もたっぷりがうれしいですね。
実物は、写真よりも若干赤みのある紫になると思います。

リズミカルで、元気いっぱいの羽織をどうぞ。

紫地トンボ単衣羽織 90000円+税
身丈:2尺8寸5分(約108.3㎝) 裄:1尺7寸5分(約66.5㎝)

紫地トンボ単衣羽織

海老沢 

新入荷の帯

明石縮の小紋に白鷺の刺繍名古屋帯白鷺の素敵な刺繍帯が入荷しました。
一本足で立って、まるで歌舞伎の見得を切るような、強い眼差し。
凜々しい姿です。
少し玉虫色に変化する濃紺の絽地の存在感溢れる名古屋帯。

合わせたのは、翅のように軽い明石縮。
透け感がたまりません。
水飛沫のような飛び柄がさりげなくあります。
襦袢に色や柄のあるものを合わせるのもお勧めです。

大人の女性の夏。
それは、まだまだ奥が深いと、どなたかに教えて差し上げてくださいね。

明石縮の小紋 白鷺の刺繍名古屋帯

白鷺の刺繍名古屋帯

明石縮の小紋 50,000円+税
身丈:4尺(約152㎝) 裄:1尺7寸(約64.6㎝)

白鷺の刺繍名古屋帯 70,000円+税

海老沢

名残の宮古上布

名残の宮古上布宮古上布はいつまで着てもいいですか?とこの時期、お客様からよく問われます。
上布は盛夏の衣とされているので、着物暦からいくと7,8月の着用です。
しかし、東京は、まだまだ30度を超える気温が、続きそうな気配…

暦にある立秋の文字が気になるのは、お洒落さんならばこそですが、残暑には、抵抗せず、無理をせず。
季節の変わり目をこなせたら、お出かけする時に気持ちにも余裕が出来て、着物で過ごす時間がもっと愉しくなってくると思います。

白い上布や白の麻襦袢は、真夏のイメージですが、藍上布に青磁色やお納戸色に染めた麻襦袢を重ねるとすっきりした装い。
お洗濯も簡単ですので、まさしく夏のしっぽを快適に過ごせます。

秋図柄の半襟や帯を合わせてお召しいただくと、この上ないほどの軽やかさ🎵
その上秋の図柄を取り入れているので気分は、すっかり秋めいて。
涼しい風が、身体をぬけて思わず鼻歌まじりのお出かけです。

夏のはじめには、スタイリスト原由美子さんのご紹介で、甲田益也子さんに当店の宮古上布を対丈で格好よく着こなして頂きました。
夏だからこそ、軽い感じの着こなしが、目立ちません。
いつもとちがう着こなしに夏の終わりの冒険として、ぜひお楽しみください。

白井