着物紹介」カテゴリーアーカイブ

梅の愛らしさ

 

 

 

 

 

 

 

夜空にイルミネーションが、美しい銀座中央通り。

冷たい空気に放たれる光の輝きが、新しい年への希望を感じさせます。

銀座店の年内営業は、あと一日を残すのみとなりました。

お正月のお召し物をお探しの方は、明日12月28日(土)も午前11時より午後17時まで営業しておりますのでどうぞ、ご来店ください。

「新春のきもの展」にも本当にたくさんご来場頂きましたが、ブログでは、いつもお店で直接お目にかかれないお客様へメッセージをお届け出来るのでご覧頂く皆さまに感謝しております。

お写真の帯は、江戸から明治期の能衣装をお仕立て直した名古屋帯です。

お太鼓には、蕾ほころぶ白梅と天高く舞う鶯。

丸い蕾と小さな白梅は、なんと愛らしく芳しい姿でしょう。

垂れ先には、気持ちよく伸びた笹の足元に流水と飛び石の清らかな刺繍の図。

また、胴前には、蔦のからまる蔀(しとみ)が開いた人里はなれた風景。

奥に身をひそめた夕顔とこの前を通りかかった光源氏が、互いの存在を知る事になる場面を表現したであろう珍しい構図。

潔い藍緞子の帯地に繊細な金の駒留で丁寧に刺繍された美しい気品と思わず引き込まれる魅力を持ち合わせた新春にふさわしい名古屋帯です。

新しい年の幕開けにぜひ、お薦めいたします。

18-12-14梅に鶯と蔦唐草の名古屋帯108000円

存在感たっぷりの半幅帯

いよいよ年末も目前に迫り、皆様お忙しい日々をお過ごしの事と思います。

忙しくて着物を着る暇がない・・・そんな時に半幅帯はいかがでしょうか?
インスタでもご紹介しましたが、存在感たっぷりの半幅帯が入荷しました。

一つめはほっこり真綿紬の半幅帯です。
格子の着物に合わせ、かわいらしく変り結びにしてみました。
温かみのある素材ですから、寒い時期にお使い頂きやすいですね。
着物も生成りの生地に赤い格子、その中に変り織で黒い織り出しがピリリと効いています。
  

 

二つ目はざざんざの半幅帯です。
こちらは結城新機にあわせました。
半幅帯でもざざんざの強さは健在!すっきり結んで潔い着姿になりますね。
両面使えるのも面白いところです。

  

半幅は結び方から小物使いまで様々お楽しみいただけ自由度の高い帯です。
ぜひお気軽にお楽しみくださいませね。

格子着物:120,000円+税 身丈4尺2寸(約159.6cm)裄1尺6寸8分(約63.8cm)
真綿紬半幅帯:20,000円+税

結城新機袷着物(19-10-31):140,000円+税 身丈4尺3寸(約163.5cm)裄1尺8寸2分(約69cm)
ざざんざ半幅帯:40,000円+税

■■■ 年末年始のご案内 ■■■

12月28日 17時閉店
12月29日~1月2日 年末年始休業
1月3日~1月5日 18時閉店

どうぞよろしくお願いいたします。

クラシカルな雰囲気で出かけみませんか・・・

慌ただしい季節になりました。

冬のイベント目白押しです!!

華やかなお着物で出かけてみませんか?

クリスマスも忘年会も来年のお正月まで華やかなアンティーク着物で雰囲気良く・・・

 

 

 

ご紹介の着物は、松竹梅の図柄が絞りや刺繍で豪華に配された訪問着です。

 

梅の花が二色使いで刺繍され、絞りの中に奥行きを出しています。

 

 

帯は糸巻きの織帯。

糸巻き一つ一つの中に季節の花々やおめでたい図柄が織り込まれて一層華やかです。

 

 

 

 

臙脂地松竹梅絞り刺繍訪問着(着物:17-3-8)151,200円

身丈:4尺5分(約153.9㎝) 裄:1尺6寸8分(約63.8㎝)

 

黒地糸巻きの図織名古屋帯  33,000円

 

年末年始のお洒落

ついに今年も最終月になりました。
あっという間ですね。
寒さも増して、紬の出番です。
半襟や小物の色合わせも、是非楽しんでください。
帯にはいきいきとした鳥の刺繍があれば心もはずみます。


茶地縦縞結城新機袷140000円+税
着物19-10-31
お仕立て直し 身丈:4尺3寸(約163.4cm)  裄:1尺8寸2分(約69.2cm)

ヤマガラの刺繍開き名古屋帯 90000円+税

7日からは「新春のきもの展」も開催されます。
さあ、まだまだ元気よくまいりましょう!

 

  企画展「新春のきもの展」

会期:2019年12月7日(土)~15日(日)

11:00〜19:00
会場:灯屋2銀座店
東京都中央区銀座2-6-5 アサコ銀座ビル2F

今回の企画展はお葉書でのご案内はしておりません。
灯屋2ウェブサイト、facebookのみでのご案内となります。

藍への愛

明治初めに来日したイギリス人化学者が、町のあちこちに見られる藍色を「ジャパンブルー」と呼んで称賛した藍。

素朴であたたかな紺色は、後にも様々なシーンで日本の色として登場しています。

世界中でも最古の藍は、紀元前3000年頃のインダス文明からと気の遠くなる長い歴史です。

藍と言えば、安土桃山時代から藩の殖産事業となった、徳島の蓼藍思い出される方も多いのではないでしょうか。

その徳島でも戦時中は、食糧増産の為、藍の栽培は禁止作物になりました。

藍は、一年草で毎年種を採り続けないと途絶えてしまう為、憲兵の目を逃れ命がけで、藍の栽培を6年間続けた方が、いらっしゃいました。

徳島で藍の母と呼ばれる岩田ツヤ子(明治39年~平成9年)という勇気ある女性です。

山の林の中で人知れず守られた「白花小上粉(しろばなこじょうこ)」は、今も本藍染め佐藤家で作り続けられています。

岩田さんの石碑は、藍が育てられた場所、美しい緑と澄んだ空の元にひっそりと建っています。

あたたかい木綿に藍染めの絞りは、触るだけでも気持ちがよく、藍の素朴さに心が癒されていくようです。

大切に手をかけ育て、染めた方々の思いが、伝わってくるかのようです。

何を着てみようかな。。と迷ったら、藍をひとつおすすめしたいです。

無地紬縫い一つ紋袷88,000円身丈4尺3寸裄1尺7寸(1尺8すん3分可)

藍絞り名古屋帯66,000円

志村ふくみ 入荷のお知らせ

なんと贅沢な、と、実は身震いしながらお知らせしています。

6点全てが志村さんの色紙、あるいは共箱が付いており、お仕立て上がりが2点、ご使用済みが1点、後の4枚は仮絵羽ですので、お仕立て付きとしてご紹介しています。

そのほとんどが昭和期の作品と思われますが、そのうち2点は、写真集でご紹介されています。

ご試着いただけますので、秋空と相談なさってお出かけになってくださいね。

志村ふくみの藍

志村ふくみ作 藍熨斗目 袷 仕立て上がり

熨斗目とは本来、江戸時代の武家で、小袖の生地とされた練貫という絹織物のことです。
その中で、袖の下部や腰まわりの色をかえたり、縞を織り出したりしたものを腰替わりといい、やがてそのデザインを指すようになりました。
そして能や狂言衣裳としても用いられたので、格調のあるデザインとしてのイメージが定着してきました。
この藍熨斗目は1975年に作られていますので、志村さん50歳頃の藍建てへの道筋が、ついた時期の作品のようです。

白地に小格子の肩裾と、明るい藍の腰替わりとが激しく呼応し合って、藍の華がほとばしり、美しさの高みへと向かっています。
清楚で、しかも生命力に溢れる作品です。
色紙と多当紙がつきます。

志村ふくみ作 花絣 仮絵羽

1979年の作品です。
優しい色の替わり格子の中に花十字が浮かんでいて、その中に、井桁絣が子供のように守られるかのように入っています。
緑と藍と紫の微妙な色が重なり合って、芳しく透明感のあるハーモニーをかもし出しています。
そして、優しさと包容力が、精緻で静謐な表現となって織り込まれています。
志村さんの、懐の深い人間力が感じられる一枚です。

志村ふくみ作 笹竜胆(ささりんどう) 袷 お仕立て上がり

笹竜胆は源氏を代表する家紋なので、源氏物語、ひいてはひかるの君をイメージしての作品かと想像しています。
深い翠に囲まれた寝殿で待つ、ひかるの源氏を取り巻く姫君たちのつのる想いは、千々に乱れ、交錯して、それでも瑞々しく浄化されていきます。
その深淵な情緒の世界を、志村さんは、ご自分の色で、心ゆくまで表現されています。
さぞかし楽しい心踊るお仕事でありましたことでしょう。
みなさまには、どうぞ、ゆっくりとご覧あれ、と申し上げます。。

志村ふくみ-天空のひかり

志村ふくみ作  紅芙蓉  仮絵羽

芙蓉の花は、この季節、初秋になると、少し庭のあるお家ではわが世の春を謳歌しています。
特に紅芙蓉はその花の色を誇りに、まさに女王さまの様な存在です。
あの色を、志村さんは思い切りの良い紅花の真紅に、紫根を入れて巧みに表現しています。
なるほど、あの夏の日差しにも負けない艶やかさが浮かんできます。
しかし実は、少しの風のそよぎにもはらりと落ちる花びらの本性も、風情として、美しい暈しで表現しています。
薄紫や亜麻色の濃淡のヨコ糸を巧みに織り込んで、ここに紅芙蓉は完成しています。
志村さんの観察眼に、改めて敬服です。

志村ふくみ作   律   お仕立て上がり

「律」とは? 全ての物事の基本となるおきてという意味のようです。
自然界を律する約束事。それを極めようとして臨んだ作品の様に理解しました。
それはまず、この作品から、染織という手仕事の持つ根幹的な質実な性格が見てとれます。
豊かで落ち着きのある絶妙な色彩感覚、基本である格子柄を中心として、しかも個性あふれる絵羽に仕上げている現代感覚。
ヨコ糸を節紬にしている所からくる、民芸調の温かみある、みずみずしい活力。
なんだか、志村さんがここに居るというオーラを放ったお召しもののようで、持ち主になられた方の着姿に思いを馳せます。

志村ふくみ作   冬青(そよご)  仮絵羽

風に戦(そよ)いで葉が特徴的な音を立てる様がそよごの由来とされています。
又、常緑樹で冬も青々としている所から冬青と書かれています。初夏に白くかわいい花が咲き、赤い実を付けます。
その可憐な姿が庭師に選ばれて、かつて代々木の店先に植えられていたことを思い出しました。
今、この作品を見て、あの葉っぱは十字絣に、赤い実はピンクのドットに昇華されたことに納得しました。
しかしこの愛らしいピンクに、心奪われない人はいません。
そして志村さんの十字には、いつも天空の光を見たり、音を聞いたりしてしまうのです。
小さな格子柄でありながら、タテ糸がわずかに控えているのにも、精緻でみずみずしい感性が感じられます。

竜田川柄 紗単衣

朝夕すっかり秋めいて参りましたね。

夏は暑すぎて…でもオシャレはやっぱり薄物よね!と皆様の想いを感じる今夏、少し落ち着いた今こそ薄物をお楽しみくださいませ!

本日ご紹介、竜田川文様の単衣は新作着物で、紗の変わり織です。

一瞬縦絽に見えますが、縦縞が染められており着物に深みを与えています。

綴れ帯にはコオロギがとまり、その芝には露が一滴二滴…真夏のきらめく水面ではなく、秋山の源流を思わせる静かな佇まいで、秋の気配を感じるコーディネートにしてみました。

  

幅が7寸4分(約28cm)と狭めですが、開き仕立てですので胴前はお好きな幅で締めて頂けます。

露とコオロギは後から刺繍致しました。

 

竜田川柄紗単衣着物 85,000円+税
身丈4尺(約152cm) 裄1尺7寸3分(約65.7cm)

コオロギの綴れ帯 (18-8-06) 20,000円+税

 

処暑わたのはなしべひらく

晩夏から初秋は、芙蓉(ふよう)や木槿(むくげ)などの1日花が、儚く美しい季節です。

今日は、可愛らしい小花達が、盛られた秋の花籠の色留袖をご紹介させて頂きます。

紫色の友禅暈しが、幻想的なやさしい気品のあるお着物です。

涼を呼ぶ透かしの刺繍にアールヌーボー風の蜻蛉の帯留めが、時を越えて、初秋の風運んでくるようです。

   

17-5-27紫暈し秋の花籠三つ紋色留袖 70200円
身丈4尺2寸裄1尺6寸8分

流水に菊、朝顔の刺繍名古屋帯 32400円

蜻蛉の帯留 17280円