着物紹介」カテゴリーアーカイブ

たっぷりサイズの使える着物、入荷しました!

今日は激しい雨が上がると、すっかり気温も上がりましたね。

いよいよお着物シーズン到来という感じでしょうか?

本日は、たっぷりサイズの使える着物が入荷しましたのでご紹介いたします。

まずは結城の色無地。爽やかな色がこれからの季節にぴったりです。扇面からあふれんばかりの見事な菖蒲等が刺繍された帯を合わせてみました。

次にご紹介するのは、グレーの万筋の江戸小紋に春の花々が手書きで描かれた縮緬の帯。優しい春の香りが漂うようです。

そして最後に、縫い紋の入った角通し江戸小紋に、こちらも春の野の花が絵がかれた昔の縮緬帯を合わせてみました。色遣いも華やか。

いかがでしたでしょうか?きちんと感がありながらも、肩肘張りすぎない紬の色無地や江戸小紋、とても使える着物と言えるでしょう。

ぜひ、お手に取ってお確かめ下さい。

 

結城ブルー色無地:44,000円 裄1尺8寸、身丈4尺2寸5分

扇面に菖蒲帯とあざみの刺繍帯:23-12-24 66,000円

万筋江戸小紋:55,000円 裄1尺8寸、身丈4尺3寸

グレー春の野の花縮緬帯:77,000円

角通し江戸小紋:55,000円 裄1尺8寸2分、身丈4尺3寸

グレーに牡丹、菖蒲、桜の染め縮緬帯:50,000円

 

源氏物語の装束〜4 「青鈍(あおにび)色」の謎

『源氏物語』では、誰がどのような衣装を身につけているか?その色彩、組み合わせが物語の転換点で重要な役割を持っていると考えられています。

「玉鬘」巻中の光君による、正月の衣装配りは、光源氏にとってこの女君は、このような女性なのだ、こうあってほしい、という願いが込められ、それを受ける女君はその期待に応えなければならない、という複雑な関係性があり、現代より衣装に関してはもっと“政治的”とも言えるものかもしれません。

この衣装配りで、空蝉のために源氏が選んだ衣装は「青鈍の織物、いと心ばせあるを見つけたもうて、御料(ごりょう=お手元)にある梔子(くちなし)の御衣、聴(ゆる)し色(ごく淡い紅)なる添えたまひて」

空蝉は出家しているので、喪服などに用いられた「鈍色」に薄く藍を重ね染めしたと思われる「青鈍」の織物を贈ったものでしょうか。

鈍色は古代は喪に着る凶色とされていますが、江戸時代には大流行、粋でシャレた色「鼠色」と呼ばれ日常的に誰でも袖を通すようになったそうです。青味、赤味、茶味、緑味・・・わずかな色を加えてバリエーションは無限、たちまち男女を問わず心をとらえたようです。

グレイッシュな服は、現代では様々なトーンがあり“お洒落さん”には欠かせないアイテムですね。

能「須磨源氏」は、『源氏物語』から取られた多くの曲の中で、光源氏を主役に据えたのはただこの曲のみ。

のちシテの装束は「許し色の綺羅なるに 青鈍の狩衣たおやかに召されて 須磨の嵐に翻す袂も青き‥とたいへん爽やかに美しい、喪中の人が用いる色とも思われない! 他の殿上人が正装の折にも、ひとり直衣布袴の略装で源氏にしかできない美を発揮している彼の個性。

最近インドからもたらされた「サリー」の受注会が大好評を博しましたが、銀座店に以前からあったサリーのお着物を手に取られたお客様があり、試着されたお姿を拝見しておりましたが、これこそ青鈍の美しさ、はるかな国の絹なのに、日本の古代を思わせる品の良さで、時間も空間も超えて素敵でした。

「サリー」のお着物も間もなく皆様のお手元に届きましょう。どうぞ御期待くださいませ。

もうすぐ桜の季節〜その2

今日は春の前触れの嵐?東京でも朝から

雨が続いています。

しかし、どうやら週末にかけて気温はグッと上がりそう!桜の季節ももう間近か!

そこで本日も桜の帯のご紹介です。

少し紫がかった桜色のぜんまい紬に合わせたのは、雅な風景の帯。素晴らしい刺繍の帯を活かし、両側に美しい布を足し、新しい帯へと再生させました。

御簾の向こうに見える桜。そして雪持ちの松。桜の季節だけではなく早めから使える帯ですね。

胴前も桜と松の競演です。

次はちょっとしたお出かけからカジュアルまで重宝しそうなグレーのお召しに、八重桜の刺繍の帯。こちらはソメイヨシノよりも少し長く着用できそう。

優しい薄紫に優しく、細やかな糸の色合いで桜を表現しています。そして春の喜びを表すような明るい緑の葉の色。

胴前にも桜が咲き誇ります。紫ががかったピンクの帯揚げと、緑の江戸小紋の丸ぐけをアクセントにしました。

短い季節だけに締めることのできる桜の帯の贅沢さ。ぜひ、今年はトライしてみませんか?

ぜんまい紬:22-09-14  154,000円 裄1尺7寸3分(1尺8寸迄可能)、身丈4尺2寸5分

御簾と桜と雪持ち松の帯:35,000円

グレーお召し:33,000円 裄1尺6寸5分、身丈4尺1寸

八重桜の刺繍帯:24-02-18 50,000円(全て税込)

◆お知らせ◆〜瀬川敦子篆刻展〜

瀬 川 敦 子 篆 刻 展

2024年3月7日(木)〜3月14日(木)

12:00〜18:30

(会期中無休・最終日17:00迄・全日作家在廊)

SAION de la

サロン ドゥ ラー

中央区銀座1−9−8 奥野ビル607  TEL03−6228−6108

 

春のこの時期に個展を開催されていらっしゃいます

雨水〜啓蟄のこの時期は草花が芽吹きあらゆる生命が目覚めるころ

ひとつひとつ彫出される文字を味わってみませんか

何か素敵なものに出会えるかもしれません

 

もうすぐ桜の季節

今日は雨模様でまた寒くなりましたが、桜の開花は3月の半ばとのこと。

そこで本日は桜文様の帯のコーディネートのご紹介です。

スッキリとした山繭紬に染めの帯を合わせました。可愛く刺繍も施されています。

川面に浮かぶ舟の上には色とりどりの季節の花が。桜だけではありませんので長い期間お使いいただける重宝な帯。青色が効いて子どもっぽくありません。

帯留にも可憐な桜と葉。銀と螺鈿細工です。

山繭紬100,000円 裄1尺7寸、身丈4尺3寸 帯30,000円 帯留(3810)19,800円

次にご紹介するのは縫い紋の入った少しオレンジがかったピンクの無地の結城紬に、やはりオレンジ系の桜文様の帯。

幔幕を張ってのお花見の様子は、疋田柄と素晴らしい刺繍で表現されています。

胴前は無地ですっきりと。桜貝で拵えた帯留めをあしらいました。模様の入った帯揚げにしても良いですね。

結城色無地着物 80,000円 裄1尺7寸、身丈4尺4寸、22−02−29幔幕に桜紋様の帯 50,000円、桜貝の帯留 16,000円 全て税込

いかがでしたでしょうか?今年は桜紋様の帯をぜひお楽しみください。

3月10日(日)は店内イベントのため17時閉店となります。お出かけの際はお気をつけ下さい。

 

春になったら羽織

まだ寒いけれども空気は少し春めいてきましたね。

春になったらぜひ着ていただきたい幕末・明治期の江戸小紋が新入荷いたしましたのでご紹介いたします。サイズもたっぷりです。

遊び心のある切り継ぎ羽織2点、久しぶりに入荷しました。裄1尺8寸、身丈2尺8寸、132,000円

こちらは少し明るめの色が入っています。1尺8寸2分、身丈2尺8寸、132,000円

上記2点の羽裏はこちら。麻の葉模様の絞り。臙脂色が明るめで華やかです。
そして大きな紋がアクセントの江戸小紋の羽織。こちらは一色の正統派。裄1尺8寸、身丈2尺8寸、120,000円(全て税込)

こちらは羽裏が茜色の絞りです。

こちらの羽織シリーズはお着物姿をとても雰囲気あるものに仕上げてくれる優れもの。

灯屋2オススメのオリジナル羽織、ぜひ、手にお取り下さいませ。

なお、3月10日(日)は店内イベントのため17時閉店となります。

お出かけの際はご注意下さいませ。

圧巻のひとえ「Kコレクション」販売会のご案内

春はふらり、ふーらりとどこかで遊んでいます。このまま春になっていいのかしら?というわれわれの心根を見透かされているようです。

皆さまには日頃のご厚情ありがとうございます。

このたび、特に上記のご案内をすることになりました。
Kさんは30年に渡って灯屋2のお客さまでした。
Kさんのきもの愛と審美眼には特別なものがありましたが、中でも昭和初期の単衣の美しさは絶品で、その数にも驚かされます。
帯も含めて、その全てを今回特別出品することになりました。皆様に広くご覧頂きたく、どうぞ予定を立ててご来店くださいませ。

日時 3月23日土曜日 11時から

会場 灯屋2  銀座店

お葉書によるご案内はお出しせず、ホームページとインスタグラムで週末頃よりご紹介していきます。
なお、3月10日(日)は店内イベントのため17時閉店となります。お出かけの際はご注意下さいませ。

カシミールショール羽織オーダー会

ウールのショールから温かい羽織をお作りします。

まずお客様にショールを選んでいただき、ブロックプリントの裏地をつけて秋までにお作りします。
そしてその際、ワークショップで、ビーズで羽織紐を作っていただきます。
できない方にはもちろんお手伝いします。
この週末から銀座店にショールをご用意しておきますので、お出かけになりご注文をよろしくお願いします。

春めいて、黄八丈、大島紬

今日からぐんぐんと気温上昇。

春めいて来たので、本日は紬の中でも少し軽やかなコーディネートをご紹介したいと思います。

まずは清々しい色合いの黄八丈に新入荷のバティックの帯を合わせてみました。

帯はオレンジとグリーンのコントラストがとても美しい色合いの上質な木綿です。

合わせたのは桜の帯留。いよいよ桜の季節への準備。

次にご紹介するのは蚊絣の大島紬に、インドブロックプリントの横ボーダーグリーンの帯。

名古屋帯の素材は草木染めの木綿。

 

帯留はアメジスト。季節を問わない花のデザイン。

 

本日のコーディネートいかがでしたか?本格的な春が待ち遠しいですね!

ぜひ、店頭で又は通販でお確かめ下さい。

黄八丈:1尺7寸3分、身丈4尺2寸 80,000円/バティック帯44,000円/ 帯留16,000円

大島紬:1尺7寸3分、身丈4尺5分 120,000円/22-02–04 ブロックプリント横ボーダーグリーンの名古屋44,000円/帯留 25,300円

(全て税込)

 

 

 

雲を呼び、風をはらむ 龍ー辰年は波乱の年か?

2024年は甲辰(きのえたつ)、物事の初め、萌えの時、殻を破り現れる龍(辰)。今年は元旦に能登半島地震、2日に羽田の航空機事故、波乱の年回りなのでしょうか。株価は上昇する、とも言われます。

白地の珍しい朝服くずしの帯:352000円

龍を描いた天井画、襖絵などは人気が高く、まして今年は辰年、京都の各寺院を巡るツアーの企画もあるようです。泉涌寺の狩野小雪の描いた龍は12年に一度の公開、今年はそれに当たり特別公開がされています。その他、大徳寺、建仁寺、妙心寺、天龍寺、南禅寺、東福寺…京都以外では長野県小布施町の北斎館には、北斎の迫力ある肉筆の龍が見られます。

龍は十二支の中で唯一空想上の生き物、その勇姿は、権力の象徴として中国・朝鮮・日本ではよく描かれますね。特に中国の皇帝の身の回りには必ず龍が描かれており、清朝のの朝服をくずした帯は、灯屋2でも人気商品、1本は持ちたい格の高い帯ですね。

 

 

朝服くずしの帯:120000円(20−9−47)

赤い華やかな帯:120000円 (24−01−23)

出雲神話の有名なエピソード、スサノオのヤマタノオロチ退治は皆さまよくご存じのお話です。スサノオが助けるクシ(イ)ナダヒメはその名が表す通り、稲作と結びついています。龍は水に深い縁があり、水を支配する力があるとも言われます。稲作には水が欠かせません。ヤマタノオロチは出雲の斐伊川の象徴か?と言われますが、斐伊川の治水を守る神として龍神が敬われるのでしょうか。

能の人気曲「春日龍神」は百千眷属(ひゃくせんけんぞく)を引き連れ、仏に仕える龍神が主役。栂尾高山寺の明恵上人(華厳宗中興の祖。1173−1232)の前に現れ、中国を経てインドに修行に渡ろうとする明恵に、日本の地にいても十分その望みを果たせることを、法力を持って見せる、という雄大なストーリーです。

釈迦の母・摩耶夫人の誕生から、釈迦の入滅までを、パノラマの如く明恵の眼前に展開し、“大蛇”の姿となって猿沢池に飛び込む龍神!

明恵については河合隼雄の著作「明恵ー夢を生きる」、白洲正子の「明恵上人」などが有名ですが、この夢みる上人を日本に留まらせようと全力を傾ける春日龍神の勇壮な物語は、いま少し疲れ気味のこの国に勇気と自信を与えてくれるかもしれません。