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美貌は“罪”か?(前) 在原業平のDNAは『光る君へ』の政争に至る

天皇家の愛子内親王が伊勢へお一人で参拝され、「斎宮歴史館」(三重県明和町)にも立ち寄られた、というニュースが流れたのは3月の頃でしたでしょうか。

その時「斎宮の恋愛はタブーですか」というご下問があったとか、案内者の答えが「未婚の内親王ですから‥‥」うろ覚えなので正確ではありませんが、もしそうならこれは間違いではないけれど不十分、簡単に言えば「斎宮だから」ではないかしら?

もともと未婚の内親王(天皇の娘)、女王(親王の娘)からしか斎宮選ばれません。斎宮とは、天皇に代わり神の御杖代として伊勢神宮に仕える斎の王伝説の時代を経て鎌倉時代中期まで660年間続いた制度、斎宮は66人を数えます。

愛子様の質問は平安時代初期の「業平(なりひら)と恬子内親王(てんし/やすこ 文徳天皇皇女)との禁忌の恋」を指してしているのでしょう。

伊勢物語の主役、和歌の名手として六歌仙に名を残す業平は、美男の代表としても有名ですね。その根拠は?−−なんと国が選定した公式歴史書『三代実録』に「業平、体貌閑麗、放縦不拘」。国が認めたイケメン、その上「自由奔放で法度に拘らない」‥‥美男で歌の才があり、荒魂の持ち主、ヤワなイケメンではありません。

業平・恬子の後朝の別れののち交わしたとされる和歌

  君や来し 我や行きけむ おもほえす 夢かうつつか 寝てか覚めてか(女)

  かきくらす 心の闇にまどひにき 夢うつつとは 今宵(世人)さだめよ(男)

「伊勢物語」六十九段を基にする伊勢斎宮寮を舞台にしたこの“禁忌の恋”の物語は名歌を生み、のちの絵画や芸能にも大きな力を与えますが、何より業平・恬子の“ひと夜の契り”(いま一度の逢瀬は業平が公用に多忙で果たせなかった)の結果、恬子は懐妊、密かに出産してその子を高階氏に養子として預け、子は長じて高階師尚となったという‥‥伝説?風聞?が平安の宮廷貴族にまた“世人”に語り継がれた、という驚くべき事実があります。

時代が降って、平安中期藤原道長全盛の時代‥‥古き氏族大伴氏、紀氏、賜姓の源氏や在原氏は中央の政治権力から遠ざけられ、藤原氏の一党支配が確立した時代です。

道長が我が娘彰子の生んだ一条天皇の第二皇子を皇太子にのぞみ、亡き中関白道隆の娘定子所生の第一皇子を排除しようとする画策が進んでおり、その理由にこの業平・恬子の伝説が政治に利用された!

藤原行成(道長派)の日記『権記』に「皇后定子の外戚高階氏は斎宮の事によって、伊勢と和せず いま皇子のために怖れるところなきにしもあらず」とあります。

業平・恬子の恋によって生まれた高階師尚が高階家の祖であることから、高階家は伊勢神宮に参宮しない、天皇家の祖である伊勢に対して畏れ多い、ということでしょうか。

現代のフェイクニュースもビックリ!!まさに言いがかり、それがまことしやかに数百年にもわたって密かに(公に)伝わっていたとは!

業平・恬子の物語はなんとも魅力あり、もし二人の間に子があったら?そうであればなんと素敵なことでしょう!

定子の母は高階貴子、百人一首にもその歌(忘れじの行く末まではかたければ今日を限りの命ともがな)はとられている才ある人、その娘定子は大変魅力的な女人であったらしいことは、一条天皇の思いが定子と第一皇子に有ったことでもよくわかります。

伊周、定子、隆家は、高階貴子と道隆との間に生まれた実のきょうだい。伊周は美貌の貴公子でモテ男、隆家は、大陸からの襲撃(刀伊の入寇)に対して総司令官として九州でそれを迎え撃ち、撃退するという、肝の座った人物、業平の荒魂の血を受け継いでいるのかもしれません。

紫式部はこの政治情勢の中で『源氏物語』を書き続けてゆくのですから、恋愛と政治の色濃い関係は現代では考えにくいですね。光源氏は臣籍降下した賜姓の源氏、藤原氏でなく天皇の子が政治の最高権力者に上り詰めるストーリーを当時の宮廷人はどのような気持ちで眺めていたのでしょう? フィクションだから? と物語りを楽しんでいたのかも知れません。光源氏を取りまく恋の物語というだけでなく、実はなかなか政治的な要素の濃い物語なのですが。

もっと降れば、鎌倉の源頼朝を手玉にとった後白河上皇の寵姫・丹後局高階栄子に至るまで業平のDNAはつづいているのかも知れません。

 

初夏を愉しむアジサイコーディネート

5月も半ば。
初夏の気持ち良い空と、梅雨を予感させるどんより雲がせめぎ合うようなお天気が続きます。
梅雨も間近でしょうか。

雨の季節に彩りを添えてくれる花、アジサイが、そろそろ蕾を膨らませています。
灯屋2銀座店には、少し早く紫陽花が咲き始めました。右:孔雀にアジサイ文様の名古屋帯 60000円(税込) 24−05−12    左:アジサイに蝶々の型絵染め名古屋帯 88000円 24-04-18

紫陽花をあしらった2本の名古屋帯。
孔雀とアジサイの帯は刺繍の文様が立体的で、光の具合で色が少しずつ変わって見えます。
型絵染めのかわいらしい1本は、カラフルな花に蝶々が誘われるように飛んでくる様子が賑やか。

着物:本場結城紬単衣 55000円(税込) 24-04-07

大きな羽根が印象的な帯は、しっとりとしたグリーンの紬にやわらかい色の帯締めと帯揚げを合わせてシックに。

着物:久留米絣 66000円(税込)

楽しそうな柄に藍色の久留米絣を合わせたら、粋でキュートなコーディネートの出来上がり。水色の帯締めとピンクの帯揚が全体の印象を軽やかにしてくれて、初夏のお出掛けにぴったりです。

いずれも、6月初旬くらいまでのおしゃれにお使いいただける帯。単衣と合わせてお楽しみください。

夏を先取り〜一枚欲しいはじめての上布

まだ5月、といいながら「真夏日」の予報がだされるほど、地球は歳毎に暑くなって行くようです。そうなると夏のお召し物はやっぱり麻が定番、その中でも着心地は“上布”に勝るものはありません。

はじめて上布を手になさるお客様へのご紹介、真夏を前にいま手に取っていただけるお品をご紹介します。

白地の越後上布、紅葉と亀甲を絣で織り出した逸品です。帯は青紅葉の上に2羽の鳥を刺繍した夏帯。最高級の組み合わせです

着物:154000円 21−7−7     帯:100000円 23−05−15

証紙付の越後上布、涼しげな色目に水が織り出されています。白地にオコゼを描いたユーモア溢れる絽の染帯、夏を乗りきれそうな気分?

着物:88000円 21−06-05    帯:66000円

白地にトーニとトウイグアーを織り出した八重山上布。憧れの八重山上布に帯は辛子色に泳ぐアヒル、可愛いらしく暑さを忘れる取り合わせ

着物:110000円 23−05−18    帯:33000円

 

肩に軽く、目に爽やかな単衣のオススメ

本格的な夏の到来を前に、新緑の美しさに負けないスッキリした単衣のご紹介です。この季節ならではのオシャレなお品をご用意してお待ちしております。

 

濃いネズの万筋小紋に、高山寺の「鳥獣戯画」を写した薄緑の絽の帯。毅然としたきれいさに溢れた格高い組み合わせ。

着物:20000円 身丈4尺3寸 裄1尺8寸 帯:100000円23−07−16

同じ万筋ですがこちらはやさしいグレー。波にツバメ飛ぶなんとも素敵な絽の名古屋帯

着物:25000円 身丈4尺2寸5分 裄1尺7寸8分 帯:55000円24−04−36

元気ある鮎に青紅葉の染小紋に同じ青紅葉の刺繍帯を合わせた初夏の取り合わせ

着物:44000円20−8−3  帯:88000円21−08−19

雨に唄えば “singin’ in the rain”

今夏もとても暑くなりそう!という困った天気予報が出ていますね。その前に…梅雨はいつ頃からでしょう?街にはアジサイの緑の葉が目立っていますね。

“singin’ in the rain”は1950年代のハリウッドミュージカルですが、いまでも耳にすれば気持ちが軽くなる曲、最近TVで放映された「シェルブールの雨傘」は1960年代のフランスのミュージカル映画、オープニングの色鮮やかな雨傘が次々ひらく印象的な画面、カトリーヌ・ドヌーブの可憐な美しさ…雨もこういうのは心楽しいですが、お着物でのお出かけは、“ウーン、ちょっと”という方へ、雨のお出掛けをちょっと楽しくするアイテムをいくつかご紹介いたします。

単衣の頃のお出掛けを華やかに。心もウキウキする「兎にアジサイと萩の単衣付け下げ」 154,000円

襟元を明るく彩る季節の「刺繍半衿」 各11,000円

*紫陽花 *柳にカエル *蓮の葉にアメンボウ

 

鬱陶しい空の下でも枇杷の実は爽やかです「枇杷の麻の帯」

60,000円 22-06-37

「絹の二部式コート」 防水をしていただければ軽い雨にもお使いいただけるチリよけコート 16,500円

満開の藤を纏う

いよいよゴールデンウィークが始まりました。
みなさまいかがお過ごしですか?

この季節を美しく彩ってくれる花のひとつに藤があります。
降り注ぐように咲く藤をみると、心躍りますね。
藤の名所では、今年はすでに満開との知らせも届いています。
灯屋2銀座店でも、今は藤が花盛り。

藤の木にとまる小鳥を繊細な刺繍で表現した帯に、伊予染めの小紋を合わせました。
初夏の気持ち良い風を受けて気持ちよさそうな表情の鳥。何を思っているのでしょうね。
着物:66000円 24-04-01  帯:88000円 23-05-10

藤色に藤を描いた帯は、地紋にも藤が入って、まさに藤尽くし。
帯:38500円 24-04-02

ぜひ灯屋2銀座店の藤を見にいらしてください。

旬の花を身にまとう〜いずれアヤメかカキツバタ

いまが着どき!というお着物がありますね。季節限定は着物ならではのお楽しみ……5月を前に、旬の柄のお着物と帯のご紹介です。

クリーム地に咲き誇る菖蒲を大胆に描いたお着物、まさにいまが着どき、着物の醍醐味を味わっていただける素敵な小紋です。

着物:88000円24−02−11

緑がかったブルーグレーの地色にデフォルメした菖蒲を染め拔いたやさしい小紋に、扇の上に菖蒲、アザミを刺繍した綺麗な帯の取り合わせ。

着物:25000円 帯:66000円23−12−24

茶の縞の粋なお召しにちりめんの染め帯。春から初夏の百合、薔薇などを大きく散らしたオシャレな帯。

着物:30000円 帯:55000円

単衣の楽しみ

今年は桜の開花予想がずれて、4月に入って満開!桜のお着物や帯の出番が長くてお喜びの方も多いことでしょう。

盛夏を迎える前、5〜6月の単衣の季節に何を組み合わせたらいいか、お悩みの方はいらっしゃいませんか?

昔は10日ごとに着るものの素材が決められていた、ということですが、昨今はそんな厳格な基準はありませんね。昔に比べ気温も湿気も高い今の日本の暮らしの中ですから、少し自由に5、6月のオシャレを楽しみたい、でもやはり日本独特の季節の味わいも捨てがたい、どちらもご満足いただける素材とお色目の単衣を探してみました。

灯屋2でご紹介した“kコレクション”では今は生産されない「錦紗」の単衣をたくさんご用意して、優雅で繊細ではんなりした美しさを目で見、触れてお愉しみいただきましたが、今日ご紹介するのはもう少し「実用」的な現代の単衣着物とそれに合わせる単衣の帯です。

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アリスの帯入荷しました

アリスの新しい帯が入荷しました。大人かわいいと大人気です。

今度の作品は可愛いピンクの紬地です。

胴前もいつものようにラブリー。

合わせたのは、格子の中に色々な絣模様が入ったスッキリと可愛らしい琉球紬。

春の軽快なお出かけにいかがでしょうか?ぜひ、店頭で又は通販でお求め下さい。

琉球紬:44,000円 裄1尺7寸、袖丈1尺3寸、身丈4尺2寸8分

アリス帯:80,000円(ピンク紬地)

Kコレクションは続く…

待たれた桜もやっとお顔を見せてくれましたね。

Kコレクションもみなさまのご声援を受けて1週間を経ました。
本日新たに帯を追加しましたので、きもの合わせもますます楽しくなっています。

明日もこの陽気は続きそうなので、お誘い合わせてご来店くださいませ。

単衣訪問着 銀通暈しに笹文様 24-03-23  264,000円(税込)
名古屋帯流水に蛇籠と千鳥文様 30,000円(税込)

単衣1ツ紋訪問着 藤鼠色暈しに秋の花散らし紋様 100,000円(税込)
秋草水衣の名古屋帯 77,000円(税込)

単衣付け下げ 流水に秋草文 24-02-21  77,000円(税込)
名古屋帯 萩の絽塩瀬 55,000円(税込)