暖簾・睦月

お正月から掛けてます暖簾は、美しい筒描の布を仕立てたものです。

筒描は布団地として家紋を入れて嫁入道具のひとつで持って行ったりしたものでした。

筒描は、本来、綿地に施されるものが多くありますが、今回の布は絹の紬地に染められています。

絹を使っているところを見ると、お客様用の夜具だったのか、よほど大切な方のものとしてこしらえたのか、少し特別に仕立てた様子がうかがえます。

また、大きく描かれている紋は「右一つ巴紋」。

古代の祭具である勾玉の形と共通する巴の形は、平安時代末期から鎌倉時代前半にかけて流行したそうです。

この時代に作られた八幡社では巴紋様が神社の装飾に多く用いられ、後には神紋とされたそうです。

氏子さんが巴の文字紋を使うのが忍びなくて勾玉形の巴紋を使ったそうで、神様のご加護がありますようにとか、渦巻きも表している形なので火除けのお呪いにもなるそうです。

 

灯屋2銀座店では、店内の暖簾を季節ごとに掛け替えています。

ぜひ、美しい布たちをご覧下さい。

 

徳永