指先でトトン!とクリックするだけで、どこにいても瞬時に、様々な事柄がわかる現代。
このお着物に描かれた時代には、よもや思いもよらぬ事でしょう。
江戸から、明治、大正と小さな島国日本が胸に抱いた夢やあこがれ。
心の中に勇気や好奇心が、いっぱいつまっていた希望の時代。
まさしく文明開化の音がします!
人力車、天秤棒を担いだ物売り、日本髪や髷を結い提灯を手にした着物姿の民衆、そのそばには、ウエストのキュッとしまった洋装のご婦人とジェントルメン、ライオン使いまで登場しています。
空になびく工場の煙は、イギリスの産業革命を語っているのでしょうか。
このお着物は、明治から大正はじめごろに作られた物だと思われますが、新時代の幕開けが、しるされているなんて見ているだけでワクワクします。
こういうヴィンテージなお着物は、帯合わせが、なかなかむずかしいのが、正直なところですが、ぴったりの帯と出会いました。
風いっぱいを帆にはらみ、大海原へこぎ出してゆく船。
なんてモダンな装いでしょう。
作られた方の心意気に感謝、そして歴史を表現出来るなんて着物ってすごい!
5月27日(土)より夏着物展「水色な夏」を開催します。
HPやブログでご紹介してまいりますので、お楽しみにごらんください。
文明開化の訪問着(着物17-4-43)と帆船の名古屋帯
一式にて45万+税
白井