市川崑監督 『日本橋』を見て、圧倒的な美に酔いました。
泉鏡花原作。明治期の花柳界。
時代考証では当時の芸者は、地味な江戸小紋を着用していたそうですが、あえて派手な衣装をこしらえたそう。
むせかえるような人工美の女性の色香と、その宿命のむごさがあいまって、忘れられない映画になりました。
そして、要チェックなのは、引き抜き帯の美しさ。
映画の中で、手際良く帯を締めるシーンがあるので、是非ご覧になって下さい。
お太鼓をだらりと長く垂らしたり、短くしたりと、スタイルもさまざま。
前も美しいけれど、後姿の美こそ、着物の醍醐味です。
丸帯の引き抜き帯は、当店にもございます。
豪華で重量感たっぷりなので、袋帯に仕立て直しもします。
丸帯の長さは約4メートル。
袋帯の長さは約4メートル20センチ。
ひろげてみるとお太鼓柄がさかさまに。
丸帯は引き抜き結びにすることで、お太鼓は二重になり、垂先と柄の向きが合うのです。
マジックのような引き抜き結び、芸者さんになった気分で一度はチャレンジして下さいね。
引き抜き結びを覚えたい方は、銀座店でおっしゃってください。
海老沢