黒猫と薔薇の刺繍名古屋帯です。
つい触れたくなる艶のある黒い毛並み、丸い頭に長いしっぽと可愛いまなこ。
耳を横に張って、少し緊張しているようです。
白薔薇の陰に何かを見つけたのでしょうか…
黒に縁どられた美しい配色の濃い緑は、常盤(ときわ)色。
「とこいわ」を語源とし、永久に変わらないという美称として用いられるようです。
持ち主は、それを知らずにこの色を選んだのかもしれませんが、愛しく、大事にした気持ちの証になりました。
刺繍も見事な腕前ですが、この帯の素晴らしさは、帯地にあります。
経糸にやわらかい黄色の絹糸、緯糸に金、銀糸、平らな形をした植物繊維が、変り織りされています。
お着物は、黒地に漆の縞が、織りこまれた薔薇の付下。
寸法もたっぷりとお仕立て上がりました。
薔薇と黒猫の名古屋帯 (帯17-3-14)
漆の縞に薔薇の付下 (着物17-3-4)
身丈:4尺3寸5分(約165.3cm) 裄:1尺8寸(約68.4cm)
灯屋2