江戸小紋の母

「瞼の母」「瞼の母」という映画を観ました。
ご存知、長谷川伸の名作です。

旅の博徒番場の忠太郎は、幼いころ生き別れになった母を、ついに見つけ出します。しかし母は、胸に迫る想いと裏腹に、なぜ堅気で会いに来ないと言って、忠太郎を突き放します。
そのクライマックスから、最後までは涙なくしては見られないような、母と息子の話です。

「瞼の母」 画像は1962年 加藤泰監督 中村錦之助、木暮三千代
母のおはまが着ている、黒繻子衿の江戸小紋が、きりりとしていて抒情的です。
今の時代、こんな母親は物語の中だけですね。
でもせめて江戸小紋の羽織を肩に掛けてみたら、気分を味わえるかもしれません。
映画は、ときに人生の師匠に思える時もあります。
思いっきり泣いて、どこか慰められるような時間も必要なのではないでしょうか。

「俺あ、こう上下の瞼を合わせ、じいッと考えてりゃあ、逢わねえ昔のおッかさんのおもかげが出てくるんだ…
それでいいんだ。逢いたくなったら俺あ、眼をつぶろうよ。」

母の背中をしのばせるような羽織を2点、ご紹介致します。



三つ紋江戸小紋羽織三つ紋江戸小紋羽織切継ぎ江戸小紋羽織切継ぎ江戸小紋羽織

三つ紋江戸小紋羽織 64,800円
身丈2尺6寸(約98.5cm) 裄1尺6寸5分(約52.5cm)
切継ぎ江戸小紋羽織 129,600円
身丈2尺7寸(約102.3cm) 裄1尺8寸(約68.2cm) 

 

海老沢