華やかな緑の縮緬地に蒔糊という技法で、霰のように染めた上に刺繍を施した豪華な名古屋帯。
(蒔糊とは、竹の皮に塗った防染糊を乾燥させ、はがし、粉末にして、濡らした布地の上に蒔き散らした上から染料をかけて染め残す方法。染料を混ぜた色糊を竹の皮に塗ってちらせば、反対に散らした部分だけに色がつく)
この帯は、白い部分と黄色の両方に蒔糊がされています。
手間と技術をかけた物だからこそ、可憐で美しく輝くのだと、思い知らされます。
昭和初期の典型的な刺繍で、多彩な刺繍糸に金、銀糸が織り込まれ、異なる刺繍テクニックで花弁や葉っぱの濃淡、艶やかさが、上手に表現されています。
蒔糊に四季の洋花刺繍名古屋帯
徳永