小袖が着用されていた時代の麻の単衣物を、帷子(かたびら)と言います。
灰色に、波に葦、潮汲み桶など、海原の風景が描かれた江戸後期帷子は、波頭は金糸の駒、白い葦は橙、緑などとりどりに、そして波を砕く岩は、紫で刺繍されていて、その色彩の感覚がとても面白いです。
江戸後期、およそ150年以上前に生きた人々がつくり上げた美しい布。
細かな市松の絣柄がとてもお洒落な越後上布を合わせると、なんとも渋い組み合わせですが、格調高い江戸帷子に隠された粋が、浮き上がってくるように思えます。
礒浜に塩汲みの図 帷子江戸裂名古屋帯 (帯14-6-25)
194400円
市松絣越後上布(苧麻) 151200円
身丈:3尺9寸6分(約150cm) 裄:1尺7寸(約64.6cm)
松田