利休と秀吉の逸話としてあまりにも有名な「朝顔の茶会」があります。
利休の屋敷の庭一面に朝顔が咲き、たいそう見事であるとの噂を耳にした秀吉が、利休に「明日の朝、そなたの屋敷の朝顔を見にゆくから」と伝えた。
翌朝、利休屋敷をたずねた秀吉は庭を見回したが朝顔などどこにもない、そのまま茶室に向かい躙口を開けて床を見ると、そこに、たった一輪の朝顔が入れてあった。
それを目にした秀吉は、無数に咲く朝顔にはみられない、ただ一輪の美しさに感動したと伝えられる。
写真のこの帯もそんな趣を感じさせる夏帯です。
藍色時に流水と蔓の延びた朝顔が白抜きで描きだされ、花の色が無い分、ピンクや青や紫の花の色を想像させます。
この夏はこんな大人な帯を麻の着物と合わせて着たいものです。
合わせた上布は長野県安曇群の美麻村で作られていた麻布で作られた上布。
現在では生産されていない貴重なものです。
朝顔と流水名古屋帯 32,400円
微塵格子美麻上布 (着物14-6-69) 102,600円
身丈:4尺1寸7分(約158.5cm) 裄:1尺7寸4分(約66.1cm)
田中