この時代の着物が、なぜ、これほどまでに素晴らしかったのでしょう。
そこには3つの大きな要因があったと考えられます。
まず一つに、着物自体の需要が大きかったこと。
ほとんどの女性が和装だったことと、今に比べて娯楽自体が少なかったため、着物の美しさが追求されたと思われます。
第二に、一流の職人が着物の世界に数多くいたこと。
現代のように芸術分野の幅が広くなく、才能が染色の世界に集まっていたことも挙げられます。
最後に、原料の繭や自然糸を生産する産業構造が確立されていた。
これらの理由から、着物そのものが贅を極め美を追求した時代でした。
今、私たちが目にする着物は、ほんの一部の上流階級の女性のための着物です。
特に夏物はデザインはもちろん、素材の素晴らしさにも目を見張るものばかり。
当店ではそれらの着物を、洗い張りや仕立て直しをして、きれいに、寸法も大きくし、すぐにご着衣用頂ける状態にして多数取り揃えております。
どうぞ、ご来店いただき、お手に取ってご覧ください。
明日は夏展の最終日。今日に比べて天候も落ち着くようです。
ご紹介の着物は、今日出来上がってきたばかり。
明日渋谷が、アトリエから直接銀座にお持ちします。
皆さまのご来店、心よりお待ち申し上げます。
露芝に秋草 蜻蛉の単衣付下 129600円
身丈:4尺2寸(約159.6cm) 裄:1尺7寸7分(約67.3cm)