灯屋2小劇場③ ご来場ありがとうございました!!

灯屋2小劇場③灯屋2小劇場もおかげさまで3回目をかぞえました。
この日は寒さが増し、たくさんの方がお着物でご来場くださいました。
はじまる前の会場内は、お着物談義で和気合い合いと和やかな前奏曲となりました!

今回は、津軽三味線・五錦雄互(ごしきゆうご)さんをお迎えしての演奏会。
五錦さんは、都内各所、また日本のみならず海外でも活躍されている五錦流の若手演奏家です。
第1部は、よされ節・あいや節・十三(とさ)の砂山・新じょんがら節・旧じょんがら節・秋田荷万節の独奏です。
太棹と呼ばれるお三味線の音色が、深く、強く唸るようにも、少し物悲しいようにも、また魂の底から叫ぶようにはじかれ、静かな空気の中を走りぬけて行きます。
目をつぶると真っ白に降り積もった雪景色が、浮かんできます。

つい最近行かれたノルウェーでの演奏会のお話も交えながら(演奏家は、シャイな方が多いですが、五錦さんもそのようです。そして、あまり抑揚なくお話します)
なんだか、その語り口が会場の雰囲気と溶け合い、皆様の緊張がほぐれ少しずつ笑顔が増えていきました。

あっという間に40分が過ぎ、ここでしばし休憩。
お三味線を弾く五錦さんの姿は、左肩に向かって棹を上に向け、糸巻き(弦を調節する部分)をご自分の肩より高く置きます。
棹から横に張って出ている糸巻きが、まるで大きな簪(かんざし)を挿して日本髪を結っている女性のようにも見え、名称をお尋ねすると、「天神(てんじん)です。糸巻きの部分 は、簪とも呼ばれます。」とのご回答。
「えーっ!かんざしー」と驚きと共に納得です。
弦楽器を演奏するスタイルは、楽器により様々ですが、それぞれの音色が表現すると同じように、姿にも現れるものなのだと感心させられました。

灯屋2小劇場③さて、お待ちかね第2部。
実は、本番前に演奏プログラムをお聞きすると「書かないでその時に決めさせてください」と言われましたので、スタッフも 曲目を知らされておりませんでした。
第2部の始まりに「これをみなさんに…」と渡されたのが、

・斉太郎節(宮城県)・花笠音頭(山形県)・ソーラン節 (北海道)・炭坑節(福岡県)4曲の民謡歌詞カード。

「みんなで歌うのー?」と、驚きとも喜びともつかぬ皆様のお声!
まるでライブのようになってきました。

もともと津軽三味線はインドから中国を経て日本に渡り、津軽地方の民謡伴奏に用いられたのがはじまりと聞いています。
原点にもどり、皆で大合唱を楽しませていただきました。
お国自慢で、花笠音頭の踊りを曲に合わせてご披露いただくお客様もいらっしゃり、笑顔の花が咲きました。

灯屋2小劇場③大盛り上がり、このままでは終われないとお客様からのアンコール!!
五錦さん、今度は津軽三味線ならではの打楽器奏法と速弾きを聴かせて頂き、 もっと聞きたいほどの余韻を残して演奏会はお開きとなりました。
帰りがけのお客様から「旧じょんがら節が、お腹の底から響いたわー」とうれしいお言葉。
楽しかったわ!と言ってくださった笑顔が今も心に残っています。
皆様、ご参加くださり本当にありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

また次回の小劇場が決まりましたらお知らせさせていただきます。

この場をおかりいたしまして
12月5日、偉大な功績を残した歌舞伎俳優・中村勘三郎さんが、57歳という若さでお亡くなりになられた事を心より痛み、ご冥福をお祈りいたします。
そして、勘三郎さんの皆を喜ばせてくださった姿をいつまでもわすれる事はありません。

白井

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