古澤万千子の着物と帯

白洲正子に愛された染色工芸作家古澤万千子(1933〜)の貴重な作品が「こうげいを探る」展に出品されます。作品数の極めて少ない古澤万千子の着物と帯を3点展示販売いたします。ぜひご来場くださいませ。

 『虫づくし』

             絹地吉野格子織着物。1976年(昭和51)作。

渋木地に型染めの縞、虫たちは顔料で描かれています。

 

 

なんとのびやかな蝶、トンボ、、虫たちでしょう!小さな昆虫に向ける古澤さんのやわらかな目が感じられます。古澤さん好みの茶地に粋になりすぎない縞、白生地に下書き無しで一気に描き上げると言われている古澤万千子独自の手法が遺憾なく発揮された素晴らしい作品です。

 

  「片身がわり梅桜紋」 

                 紬地着物。昭和40年代?作

絞りと型抜きで、梅、桜をあらわし、花の芯には顔料を差しているのではないかと思われます。

突き抜けるような透明なブルーと藍の地に可愛くしっかりとした花を描いた作品は多く、梅、桜、芍薬、牡丹、菖蒲、蓮など多岐に渡っています。桃山風の片身がわりは他にも数点あり、身に纏ったときの効果が充分計算されたモダンな作品です。

 

  『藍地牡丹に蝶』

絞りと型染に顔料を差した紬の帯。

同一の裂がのこされており、1976年(昭和51)作とありますので、この帯もそのころの作であることがわかります。

美しい藍地にユーモラスとも見える蝶が牡丹の花の間を、自由に飛び交う可愛らしく楽しい帯です