立夏

 


凛としたたたずまいが、美しい花菖蒲。

古くはあやめと呼ばれ菖蒲の字を当ててのち、しょうぶの呼び名が生まれたようです。

花菖蒲は、アヤメ科アヤメ属の多年草でアヤメやカキツバタの仲間、6月ごろ、旧暦で端午の節句の頃に花の盛りをむかえます。

お着物や帯には、袷から単衣、絽の素材に染められて、季節を楽しめる物もございます。

菖蒲湯に入れる菖蒲と花菖蒲は、異なる植物だそうです。

菖蒲は、サトイモ科の多年草で水辺に群生し、葉や根には薬効があり、漢方薬として使われています。古代中国から平安時代に伝わり、薬玉(魔除けの飾り)として邪気払いをしていた菖蒲は、鎌倉時代の武家中心の社会で菖蒲は、勝負、尚武(武事を重んじる)と音が同じで、葉の形が、剣に似ていることから、端午の節句、男の子のお祭りにふさわしいとされ、江戸時代からは、季節の変わり目の体調を崩しやすい節句の日には、この薬湯に入って病気を退散させようとしたのが、今に伝わっているようです。

着物や帯の文様にも吉祥文として現代まで用いられています。

最初の帯  水の青さと空抜けるような美しさを感じる藍色の帯。

流水の心地良い曲線が、手で防染されて、菖蒲の花と菱紋様が、手絞りで丁寧に表現された、季節を楽しめる名古屋帯。

先のブログ、絞りの所にもありましたが、手で絞りをして藍、赤、黄色と3色使われている物は、現代では、稀少な帯です。

帯20-3-2流水と菖蒲の名古屋帯35,000円+税

2番目 の帯は、鮮やかな色使いの刺繍糸で可愛い菖蒲の帯になりました。

伊勢物語の一節が、思い浮かぶ華やかな帯になりました。

帯19-5-12杜若刺繍名古屋帯60,000円+税