可憐な刺繍帯をご紹介します。
明るく柔らかな陽のような引き染めの中に咲き誇る牡丹と芍薬の花。
そのまわりを歓び舞う蝶々たちの刺繍帯です。
たっぷりとした刺繍で緑の葉も活き活きと光輝いています。
ひと枝より2つの花が、咲いているように見えるので、お花に詳しい方に問いて見ましたら、「牡丹は芍薬の枝に接ぎ木して、枝をかりて花を咲かせるのだと」おしえて頂きました。
接ぎ木した芍薬は、花を咲かせないそうなのでこの刺繍帯の図は、奥にすっくとしっかり立って咲いている芍薬とその前で座るように咲く牡丹の描写なのですね。
まさしく「立てば芍薬、座れば牡丹」を表現した帯ですね。
多色使いで花びらや葉の濃淡を見せているおしみない手仕事、蝶の羽根もそれぞれ違う模様の凝った刺繍がされた美しい名古屋帯です。
眺めていると心が、癒されるような優しさを持っています。
芍薬と牡丹、蝶たちの刺繍名古屋帯