絞りの魅力

 

 

 

世界各地で自然発生的に芽生えた絞りの技法は、奈良時代に日本へ渡り、板で挟んで染める「挟纈(きょうけち)」ロウ防染の「蝋纈(ろうけち)」そして、絞り染めの「纐纈(こうけち)」の三纈として模様染めされました。

絞り染めは、室町から安土桃山時代にかけて、絵画性を持った模様の「辻ヶ花」が、全盛期をむかえます。

江戸時代に入ると友禅染めの技法が出現したので、表現の自由度と手間がかかる点で、絞り染めは、急速に減っていきました。

現在、世界で生産される絞りの中でも日本の古い物には、技法の種類も多く、日本語以外の言語には、絞り染め全体を表す言葉が存在していなかったことから、絞り染めは、「Tie- dyeタイダイ」と呼ばれる時もありますが、国際的にも「ShiborI 」と表記されます。絞りは、先人達が残してくれた、日本の誇れる大切な伝統工芸です。

絞り染めでは、布の一部を糸で縛る、縫い締める、折るなどして、圧力をかけた状態で布を染め、その部分に染料が染み込まないようにして模様が作られます。

布に出来る皺を染めの表現として持つ、絞りならではの独特な味わいと模様の楽しさは、愛好家のみならずとも、たまらない魅力です。

上段 紫根染め風車模様の絞り名古屋帯 120,000円+税

2番目 麻地矢羽根模様の絞り名古屋帯 22,000円+税

茜染め絞り名古屋帯 95,000円+税 長さ9尺5寸